東海道・山陽新幹線「500系」どんな車両? 長い鼻と円筒形の車体で世界最速300km/hに

「グリーン車風」普通車や「ごっこ席」も

 500系はおもに東京~博多間を直通する16両編成の「のぞみ」で運行。所要時間は山陽新幹線の全通時(1975年)に比べ2時間以上短い4時間49分です。ちなみに、広島~小倉間の平均速度は261.8km/hで、当時のTGVの平均速度より速く、ギネスブックにも世界一速い列車(2駅間の平均速度が世界一速い営業列車)として「のぞみ」が掲載されました。

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8両編成に改造された500系の先頭車には子ども向けの模擬運転台がある(2015年10月、草町義和撮影)。

 しかし、先頭車は長いノーズのため定員が少なく、中間の車両はその分定員を増やしていますが、車両ごとの座席とドアの数が300系とは異なることに。ダイヤが乱れたときなど、500系で運転予定だった列車を急きょ300系に変更するといったことが難しく、運用に制約が生じました。また、車体が円筒形のため、車内のスペースが狭いという問題もありました。

 1999(平成11)年には、車両ごとの座席数とドア数を300系に合わせた700系がデビュー。これらの車両と「互換性」がない500系は2010(平成22)年までに東海道新幹線から姿を消しました。その一方、2008(平成20)年からは全車普通車の8両編成に改造された500系が登場。山陽新幹線の「こだま」で使われています。

 最高速度は285km/hにダウンしましたが、普通車指定席の4~6号車は1列減らした4列席になり、居住性がアップ。特に6号車は16両編成時代のグリーン車を改造し、座席もほぼグリーン車時代のままです。このほか、先頭車(8号車)の客室内には模擬運転台が設置され、子どもが「列車運転ごっこ」を楽しめます。

 近年の500系は期間限定でユニークな装飾を施すことが増えました。2015年から2018年までは、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する兵器「エヴァンゲリオン初号機」をイメージしたデザインで装飾。2018年からはサンリオのキャラクター「ハローキティ」デザインの編成が運行中です。また、京都鉄道博物館では先頭車が1両、展示されています。

【了】

※内容を一部修正しました(9月17日11時15分)。

【写真】懐かしの「エヴァ」風500系の外観・車内

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コメント

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1件のコメント

  1. 0系に対して100系とか新しいのに当たった時は嬉かったが500ばかりは外れたと思ったな