JALのLCCとなった「春秋航空日本」どう変わる? 新社長が語る「中国超特化LCC」の未来

2021年にJALの連結子会社となったLCC、春秋航空日本。JALグループ内のなかで「中国特化型LCC」としての役割を担う同社は、今後どのように変わっていくのでしょうか。今回新たに就任した米澤 章代表取締役社長に戦略を聞きました。

新規就航だけじゃなく既存路線も強化

 中国の大手LCC(格安航空会社)の春秋航空グループとして2012(平成24)年に設立した、春秋航空日本(スプリング・ジャパン)は、2021年6月より大きく体制が変わりました。JAL(日本航空)の連結子会社となり、国内大手LCCであるジェットスター・ジャパン、2020年に設立された国際線専用LCCのZIPAIRとともに、JAL系LCCの一員として、ポストコロナでも底堅いレジャー需要の取り込みを狙います。

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春秋航空日本の旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。

“新生”春秋航空日本では、JALで国際路線事業本部長、中国地方総代表を務めた米澤 章氏が新社長として就任しました。米澤社長は2021年7月26日(月)に実施された記者会見で、「まだフルサービスキャリアであるJALとLCCとの違いに若干戸惑っているところもある」としながらも、次のような目標を掲げています。

「フルサービスもLCCも同じ航空会社です。最も大切なことは、今後も安全運航をしっかりと続けていくことです。そして黒字化を目指していきます。会社のなかでは、しっかり社員と向き合い、同じ方向を向いて会社を再建していきたいと考えていきます」(米澤社長)

 JALグループのなかで春秋航空日本が任された役割は、「中国特化型LCC」。JALグループの中期事業計画では「人口1000万人超の中国都市をターゲットに、ホワイトスポット(直行便未就航地点)を新規開拓する」と公開されています。米澤社長は、この強化を主眼に据えながらも、「新しい路線ばかりやるのはリスクもありますし、既存路線もまだ増やす必要もあります。新規開設と既存路線の増便、この両面のバランスを取りながら進めていきたいと考えています」としています。

「中国の方にとって日本は、実のところコロナ禍以前は”数ある旅行先”のひとつにしかすぎませんでした。ただ、現在、特に『コロナが収まったら日本に旅行へ行きたい』と考えていらっしゃる方が増えています。現在の日本は、中国からのインバウンド需要という面で、非常に有利な状況であるといえるでしょう」(米澤社長)

 では、JALグループとなった春秋航空日本は、今後どのように変わっていくのでしょうか。

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