100万円のカメラも触れた!「鉄道フェスティバル」 楽しすぎるその全貌を徹底リポート! 〈PR〉
2024年10月13日~14日、東京・お台場で第31回「鉄道フェスティバル」が開催されました。10月14日の「鉄道の日」にちなんだ各種行事の中心となる催しで、鉄道事業者や協賛企業など80事業者のブースが並びました。大勢の来場者でにぎわったイベントの様子をお届けします。
朝イチから盛り上がり最高潮のなかイベントスタート!
2024年10月13日(日)、14日(月・祝)に東京都江東区のお台場イーストプロムナード「石と光の広場」、「花の広場」で第31回「鉄道フェスティバル」が開催されました。鉄道フェスティバルは、10月14日の「鉄道の日」にちなんだ各種行事の中心となる催しで、31回目の開催となる今回は、鉄道事業者や協賛企業など80事業者のブースが並びました。
大勢の来場者でにぎわったイベントの中から、JR各社など鉄道事業者のブースや、キヤノンマーケティングジャパン株式会社のブースの様子をお伝えします。
「ただいまより第31回鉄道フェスティバルを開催します」という10時ちょうどのアナウンスとともに始まったイベントは、晴れ渡ったお天気も手伝い、早々ににぎわいを見せていました。
筆者(蜂谷あす美)の知り合いが時を同じくして何人も会場にいたものの、あまりの人の多さに、ほとんど遭遇できなかったほどです。
「石と光の広場」のビッグサイト側には、JR各社がブースを出展。
JR西日本のブースでは、ドクターイエローのチョロQや今秋(2024年)の北陸新幹線ディスティネーションキャンペーンに合わせて運行開始した観光列車「はなあかり」のグッズ、また2024年3月に敦賀延伸を果たした北陸新幹線の鉄印帳、さらにハローキティグッズなどが販売されていました。
JR東日本のブースでは、運転士の訓練用シミュレーターのデータをもとに「音楽館」が制作し、JR東日本が家庭用に配信している「JR東日本トレインシミュレータ」の体験会を実施。ちなみに「音楽館」は、鉄道関係の音楽を多数手がけている音楽プロデューサーでキーボード奏者の向谷実さんが社長を務めている会社です。
会場では、E217系電車で使用されていた本物のワンハンドル型マスコンを使用して“運転”ができることもあり、同社のショッピングモール「JRE MALL」での事前受付は定員40組(2日分)が、発売から3日で完売したそうです。
会場中心部で二重、三重の人だかりができていたのは、徳島県と高知県を走る阿佐海岸鉄道の「DMV(デュアル・モード・ビークル)」の実車展示です。
はるばるフェリーで運ばれてきたもので、鉄道とバスの「モードチェンジ」の実演が行われていました。
さらに、南側「花の広場」には民鉄各社が勢ぞろい。長蛇の列ができていたのは鉄道部品を販売していた相模鉄道です。
13日は正午前の段階で多くの商品に売り切れを示す「×」マークがついており、その盛況ぶりがうかがえました。
路線図を片手にほほ笑む少年は都営5300形のドア上にある路線図を東京都交通局のブースにて500円で手に入れたそう。
鉄道フェスティバルの感想を聞くと「都営交通が好きで来たけど結構イイ感じ!」と楽しさを語りました。
中には100万円台のカメラも! 実機を屋外で触れる貴重なチャンス!
「石と光の広場」の中央部に配置されたキヤノンマーケティングジャパン(株)のブースを訪れてみました。
同ブースでは2024年に相次いで発表されたフラッグシップミラーレス一眼カメラ「EOS R1」と、初代から満を持して4年ぶりの登場となった「EOS R5 Mark II」のタッチ&トライを実施していました。
訪れた人は、キヤノンのオンラインサービスを利用するためのユーザーアカウント(お客さま登録情報)である「Canon ID」を登録することで、実際に最新機種の体験ができました。
100万円台の機種など、量販店ではなかなか見られない高価格帯のカメラということもあり、来場者の注目度は高く、熱意のある鉄道ファンや、鉄道以外を撮影する人がタッチ&トライをする様子が見られました。
キヤノンブースの詳細については、記事の後半で振り返ってみます。
鉄道写真家によるセミナーで最新機種の神髄を知る!
さて、このようなカメラを鉄道撮影の場面でどう活用していくかは、プロに聞きたいところです。そんな悩みを解決する鉄道写真家3人のセミナーが、午後からキヤノンマーケティングジャパン(株)のブースで開催されました。
久保田敦さんも絶賛のEOS R1はどのような魅力がある?
「EOS R1」を手に登壇したのは、鉄道ジャーナル誌をはじめ、雑誌、広告などで活躍中の久保田敦さんです。
まずはボディーを触りながら「ラバーの部分が手に吸い付く感じが非常に頼もしい」と語ります。さらに「鉄道を撮るために生まれてきたといっても過言ではない」と強調し、その理由を次の4つのファクターから説明しました。
1つ目は、AFで追従、約40コマ/秒撮影する高速撮影です。「(列車)編成撮影において怖いものナシ!」と断言。2つ目は、新幹線を真横から撮る際にも役立つ機能として、横線検出が可能になったクロスAFを「フラグシップならではの余裕」と表現しました。
続いて3つ目として「高感度、高画質」を挙げ、RAW現像時にノイズをより低減した画像を生成する「ニューラルネットワークノイズ低減」や、画像を高解像度に変換する「カメラ内アップスケーリング」を取り上げました。
4つ目として「操作性・信頼性」を挙げ、その構成要素としてこれまでにEOSシリーズを使ってきた人なら説明不要で使える操作性と、明るく見やすい電子ビューファインダーを紹介。「流し撮りの成功率が大幅にアップした」と笑顔でまとめました。
鉄道広告写真家の福島啓和さん目線で見たEOS R5 Mark IIのスゴさ
続いて「EOS R5 Mark II」のセミナーに登壇したのは、JR九州の鉄道広告ビジュアル、CM、カレンダー、「九州時刻表」の表紙などを手掛けている鉄道広告写真家の福島啓和さんです。
福島さんは、まずスチール撮影における注目ポイントとしてニューラルネットワークノイズ低減、カメラ内アップスケーリングを取り上げました。
従来は高スペックPCが必須だった処理がカメラ内でできるようになったことから、新幹線のように近くからの撮影が難しい車両についても「トリミングを前提」に引きで撮影できるようになったと紹介。
「広告写真を撮るうえでも大きな機能」と語り、参加者に向けて、大判のポスター作りなど新たな楽しみ方を提案しました。
続いてムービー撮影でのポイントとして、4Kで収録できる「SRAW」を紹介。従来の4K RAWはデータが重く、どうしても作業に時間がかかっていたのに対して、「SRAW」は「びっくりするくらい扱いやすい」と解説。
納得がいくまで編集し、なめらかな映像作品を作ることができ、「これまでムービーが気になりつつもスチール撮影にとどまっていた人にもおすすめ」と、ムービー撮影への入り口を示してくれました。
撮影地で話が盛り上がって撮り漏らし…そんなことはなくなったと語る長根広和さん
最後に「ここがすごいよ」と題して「EOS R5 Mark II」の魅力を余すことなく紹介したのは、「列車の音が聞こえてくるような作品」をモットーに全国の鉄道を追いかけている長根広和さんです。
長根さんは、作例とともに実際のファインダー画面を動画で見せながら解説。約30コマ/秒の連写により、時速250キロで走る東海道新幹線であっても「理想の位置に入れられる!」と強調。
被写体検出の鉄道モードについて、車両が見えた段階で運転台に焦点を合わせ、そのまま追尾していく様子を見せながら、「われわれはもう構図を決めるだけです!」と断言しました。
さらに「(撮影地で)列車を待っていて、隣の人と話をしたり、よそ見したりすることがあるじゃないですか」と「撮影地あるある」を語って来場者の笑いを誘ったのち、「そんなときでも、元に戻れるということですよね」と言いながら、15コマ分過去にさかのぼれるプリ連続撮影モードを紹介しました。
この機能を応用すれば、雷が落ちたその直後にシャッターを切っても、さかのぼった状態から撮影が可能になるとして、「稲妻と電車を組み合わせた写真」など、新たな作品作りの可能性を示唆しました。
なお、今回のセミナーについては、先ほど紹介したCanon IDに登録することで、全編が無料で視聴できます。最新機種の魅力はもちろん、第一線で活躍する鉄道写真家たちの作品を見ることができるほか、キヤノンの最新情報も届くので登録しない手はありません。
キヤノンブースでフラッグシップ機をタッチ&トライしたユーザーの感想は?
では、キヤノンブースを訪れた人たちの感想を聞いてみましょう。
2人でブースを訪れたご夫婦は、普段EOS R6を使用して飛行機や野鳥など動体の撮影をしているといいます。
「今日はEOS R1やEOS R3、EOS R5 Mark IIなどが実際に触れるということで来てみました。実際に触ってみてすごくイイと感じて、欲しくなりました。特に視線入力AFの精度に感動しました」と話していました。
戦闘機の撮影が趣味という男性はEOS R1を触ってみて「ミラーレスになって求めていることは連写速度とブラックアウトフリーの撮影。R1はどちらの性能も両立していてファインダーの遅延もなく良かった。期待通りのカメラだと感じました」と話していました。
また、同ブースでは「Canon ID」に登録してタッチ&トライをした人へ、ノベルティの配布もありました。
製品カタログなどが入った紙袋には、鉄道ヘッドマークステッカー5種のうちランダムで1種が入っていました。
例年大好評のノベルティですが、引退した特急たちのステッカーということで、かつての雄姿に思いをはせる人もいました。
発売ホヤホヤのEOS R5 Mark IIの魅力を中の人に語ってもらった!
最後に、EOS R5 Mark IIの鉄道撮影における魅力を、キヤノンマーケティングジャパン(株)のカメラ統括本部、浦中大樹さんにあらためて伺いました。
「EOS R5 Mark IIはさらに、ほぼ最上位機種と変わらないAFを搭載しているうえに、鉄道検出モードを搭載していることから鉄道写真に向いた機種といえます。また、4500万画素と非常に高画素であることから、風景と車両を組み合わせた写真でも力を発揮してくれます」。
続けて浦中さんは「鉄道写真では(列車が通る場所にあらかじめピントを合わせておく)『置きピン』が一般的ですが、さらなる性能アップを果たした視線入力AFを活用すれば、被写体を目で追いかけながら撮ることができるので、今までの撮影の王道に対して、別のアプローチができる可能性を秘めているのではないでしょうか」とEOS R5 Mark IIの鉄道撮影においての魅力を語りました。
このように鉄道フェスティバルは鉄道ファンや写真撮影ファンにはたまらないイベントでした。写真家さんのセミナーは以下のURLからCanon IDに登録して視聴できます。
来年も開催されるかは分かりませんが、近年の盛況ぶりを見る限りは2025年も開催される可能性が高いと思います。その際は、どんなイベントになるのか今から非常に楽しみです。
どのブースも目が離せないイベントが盛りだくさんの鉄道フェスティバル。ここでしか見られない内容ばかりなので、これからも要チェックです。
≫ セミナーの全編映像を観たい方はこちらで公開予定!
【了】
Writer: 蜂谷あす美(旅の文筆家)
1988年、福井県出身。慶應義塾大学商学部卒業。出版社勤務を経て現在に至る。2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅と牛乳を中心とした随筆、紀行文で活躍。神奈川県在住。