車内販売終了でどうなる? 北海道の名駅弁「かにめし」、原型は「丸ごとゆでガニ」!?

JR北海道エリアの新幹線、特急列車で車内販売が終了。札幌~函館間を走る特急の名物だった長万部の駅弁「かにめし」の積み込みも、幕を下ろしました。歴史を重ねた人気駅弁、その原型は、弁当としてはかなり大胆なものでした。

全国の「かにめし」元祖、長万部駅

 JRでは、コンビニエンスストアの台頭や、要員不足といった問題を背景に、特急列車などにおける車内販売が次々と縮小しています。JR北海道は2019年2月をもって、札幌~函館間の特急「スーパー北斗」で終了し、すべての在来線定期列車における車内販売から撤退(3月には新幹線でも終了)。JR東日本、JR四国、JR九州も、2019年3月16日(土)のダイヤ改正で車内販売を縮小しました。

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北海道の特急「スーパー北斗」。2019年2月をもって車内販売が終了した(恵 知仁撮影)。

「スーパー北斗」の車内では、ある“名駅弁”の販売が乗客の予約に応じて行われていました。長万部(おしゃまんべ)駅(北海道長万部町)の「かにめし」です。いまや全国で様々な「かにめし」の駅弁がありますが、長万部駅前に店を構える「かにめし本舗かなや」が1950(昭和25)年に発売した「かにめし」が、その元祖とされます。

 長万部駅の「かにめし」は、東京の京王百貨店新宿店で毎年行われている「有名駅弁とうまいもの大会」で、1969(昭和44)年および1970(昭和45)年に販売数1位を獲得。2019年1月の開催で54回目となった同大会では、函館本線 森駅(北海道森町)の「いかめし」が長年販売数トップに立ち続けていますが、この「いかめし」以外が1位を獲得した3回のうち2回が、長万部駅の「かにめし」なのです。

 ごはんの上に、カニのほぐし身がびっしりと敷き詰められた「かにめし」。ほぐし身は、じっくり大釜で炒って水分を飛ばしているため、噛めば噛むほど旨みが出るのが特徴だそう。付け合わせの細切り筍や、しいたけの煮付け、佃煮も彩りを添えます。かつては長万部駅のホームで販売員による立ち売りも行われており、列車が到着すると同時に乗客がホームに飛び出し、山積みの「かにめし」はあっという間になくなっていたそうです。

【画像】カニの身ぎっしり! 元祖「かにめし」

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