小山駅「きそば」閉店 ホームの駅そば、また一つ消える 旅情ある乗換駅からの“新展開”

「きそば」家でも! 実は東京に拠点オープン

 中沢製麺は2021年8月、東京のJR山手線 大塚駅近くに、製麺所としての直営店「東京生麺中沢製麺」を開業しています。ここでは「きそば」の麺、だし、唐辛子やトッピングの「岩下の新生姜」、そして「小山駅きそば」の文字が入った店頭同様の丼まで、ほぼ一揃いの購入が可能。できたてのそばを店舗内で味わうことはできませんが、通販にも対応しているため自宅で「きそば」を楽しめるのです。

 さらに、この店ではパスタフレスカ(低加水麺)、ひもかわうどん、餃子の皮(厚みによって2種類)など、数多くの“粉モノ食材“をショーケースに取り揃えています。スープや七味などの脇役も種類豊富で、店頭では常連から「どの商品がいいかな?」との相談に乗るような場面も見受けられ、スタッフはさながら麺・粉モノのコンシェルジュのようでした。飲食店からの相談や引き合いも多いそうで、「きそば」を知らない人にも、このお店が頼りにされていることが伺えます。

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中沢製麺のオンラインショップで調達した「きそば」食材の数々と丼(宮武和多哉撮影)。

 筆者(宮武和多哉:旅行・乗り物ライター)もこのお店で丼と各種の麺を買い求め、オススメいただいた「きそばの麺+焼きそば」「パスタフレスカ+ちゃんぽんスープ」などを試してみましたが、それぞれ麺の美味しさがしっかり活きた一杯を家で簡単に作れました。

 ちなみに、小山駅で提供されてきた「きそば」は、中澤社長いわく「ほどほどの味」だそう。しかしトッピングのかき揚げやイモフライなどとの相性の良さ、出汁が染み渡るその風味は、一般的な生そばや二八そばと違った楽しみ方があると言えるでしょう。駅のホームからあの看板が消えたいま、「きそば」はキッチンカーへ、中沢製麺は「きそば」+「おいしい麺を作る会社」として、それぞれ新しい道を歩みつつあります。

【了】

【閉店後も食える!】宇都宮線っぽい「きそばキッチンカー」ほか 画像を見る

Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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コメント

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2件のコメント

  1. > かつては両毛線の佐野駅や足利駅、東武日光線の栃木駅、小山駅の両毛線ホーム

    【東武日光線】ではありません。両毛線の栃木駅です。
    JR・東武乗り入れ駅ですが、JRから委託を受けたきそばが東武線側に出店はしません。
    こっそり訂正しておいてください。

    • ご指摘ありがとうございます。修正しました。