「東京メトロの中古車、譲って!!」地方鉄道が欲しがる納得の理由 “隠れメトロ車”までいる!?

充実したサポート体制 中古車両でも大事

 また、首都圏で主流の20m級4ドアというフォーマットは、大量の旅客を輸送するには絶大な効果を発揮しますが、輸送人員がそこまで多くない中小私鉄では過剰設備です。しかも大きさの割に座席が少ないというデメリットが発生します。たとえば03系先頭車の座席定員は44名ですが、同じ東京メトロの電車で20m級の10000系電車(副都心線など)の先頭車は48名。車体の大きさの割には座席数が増えていないことが分かります。

 このような点も、コンパクトで座席数もそれなりに確保できる18m級3ドア、とりわけ03系に人気が集まる理由といえます。03系だけでなく、元・銀座線の01系電車が熊本電鉄に譲渡されたのも、「小型で熊本電鉄の輸送事情にマッチした」ためです。

 東京メトロの車両が他社で活躍しているもうひとつの理由として、メトロ車両や東京メトロの技術陣の存在が挙げられます。メトロ車両は東京メトロの子会社で、車両基地の設備工事や車両の改造を行っています。実際にはメトロ車両の協力会社によって改造される場合もありますが、いずれにせよ中古車両の「現状渡し」ではなく、それぞれの鉄道会社向けに整備したうえで納車するため、人材やノウハウをあまり割けない地方の鉄道会社にとっては「価格以上」の価値を見出すことができます。

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長野電鉄で30年の長きにわたって活躍した元・日比谷線3000系電車の長野電鉄2600系電車。元・日比谷線03系と入れ替わりで引退予定(2013年9月、児山 計撮影)。

 また、譲渡後に営業運転に就いてからも、車両検査を行う際にメトロ車両のサポートが受けられるのも大きなポイントです。しかもサポートは国内の鉄道だけでなく、インドネシア通勤鉄道に売却された車両でも、整備マニュアルや部品調達のノウハウを、東京メトロOBが行っています。

これが上毛電鉄カラーの東京メトロ車両です(画像)

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