いちたろさん
2020/07/18 22:59
日本ではじめて、SLの動態保存を行った、つまり、高度成長と対極にあるSLをただ古くさい過去の遺物としてではなく、ノスタルジー感じる観光資源として発掘した先駆けという点で評価できると思います。
そして数多くの映画やドラマのロケで使用されて有名になった、それが理由でしょう。
大井川鐵道の通る沿線は静岡市と浜松市という都市の狭間であり、始点も榛原郡金谷町、東に島田市、西に掛川市があり、生活圏としては両者の経済圏に含まれる町、今は市町村合併により島田市の一部となっていますが、そんな小さな町に拠点をおく大井川鐵道、なぜ建設されたのかというと、茶産地としての牧之原、川根地区への都市部からの買い付けの足であったり、奥大井地域で営まれていた国有林へ、そしてダム建設工事のため、という目的がありました。
しかし周辺人口も少ないですから、人の往来や物流が自動車に替わり、林業も廃れ、ダム工事も終わればあとは地元住民の生活の足としての利用だけ。それでは存続の危機に立たされます。
そこで、静岡や浜松から国鉄の直通列車「奥大井」「すまた」を誘致するなど観光に力を入れてきた、その観光のさらなる起爆剤がSLだったわけです。
小さなお子様向けにはトーマス号などのキャラクターもののSL、年配の方向けには本来のSL、そして大井川鐵道は全国の都市部の鉄道会社から中古車両を譲り受けて、基本的にそのままの塗色で運行します。鉄道ファンはもとより、かつてその車両を利用していたとしぶからの一般観光客に向けても、なつかしさを感じさせる趣向を凝らしています。
SLの動態保存は部品の製作から、中古電車の維持も、型式や製造メーカー、仕様の異なるものをたくさん抱えるわけで、整備能力は他社にはないものをもっていると聞きます。そんなところも興味深いです。
- いいね数:4件
- いいね
ランキング
回答受付中の質問がありません。