「大洗」と「苫小牧」何が強み? 「さんふらわあ」商船三井フェリー20年 勝ち残ってきたワケ〈PR〉
関東~北海道航路を運航する商船三井フェリーが20周年を迎え、大幅な割引キャンペーンを行います。関東では茨城の大洗に、北海道は苫小牧に発着地が集約されていった歴史を振り返りつつ、コロナ禍にも安心なフェリーの強みを探ります。
かつては「大洗~苫小牧」以外もあった関東~北海道航路
茨城県の大洗と北海道の苫小牧を結ぶ商船三井フェリーが、2021年7月に創立20周年を迎えます。大きな太陽が船体に描かれた大型フェリー「さんふらわあ」シリーズも、関東~北海道航路の「顔」として定着したといえるのではないでしょうか。
というのも、「関東~北海道航路」=「大洗~苫小牧」=「さんふらわあ」というイメージが形作られるまで、発着地も船も、そして運航会社も紆余曲折を経ているからです。
大洗~苫小牧航路が開設されたのは1985(昭和60)年のこと。東京~苫小牧航路を運航していた日本沿海フェリー(後のブルーハイウェイライン、現・商船三井フェリー)が、関東~北海道のサブ航路として運航を開始しました。やがて1997(平成9)年には東京~苫小牧航路も大洗経由となり、2年後には大洗発着に一本化されます(東京~大洗間は2007年、正式に廃止)。
東京側の発着地が大洗に集約されたのは、東京港まで運航すると、時間がかかりすぎるためです。
現在の大洗~苫小牧航路の所要時間は最短で17時間45分、対して東京~苫小牧は、房総半島を大きく迂回する必要があることなどから、30時間ほどかかっていました。東京と高速道路(常磐道)で結ばれた茨城・大洗港の方が、結局は関東と北海道の双方で時間を有効に使うことができ、トラックにとっても利便性が高いのです。詳しくは以前の記事をご覧ください。
北海道側も、かつては別の場所に発着するフェリーがありました。代表的なものが、日本沿海フェリーの大洗~苫小牧航路と同時に開設された、東日本フェリーによる大洗~室蘭航路です。
当時、室蘭市は苫小牧市と航路の誘致合戦を繰り広げ、「苫蘭(止まらん)戦争」とまで呼ばれましたが、東日本フェリーの経営難もあり、室蘭航路は2002(平成14)年に休止されています。
いまや、太平洋側を航行する北海道発着の航路は苫小牧に集約されています。「大消費地の札幌に近いこと、また道東からもアプローチしやすいのがメリットです。室蘭まではどうしても、さらに1時間かかります」と商船三井フェリーは話します。
「北海道のなかで『ここに港があれば間違いない』位置にある」(商船三井フェリー)という苫小牧港は、道内全域から貨物が集積し、また全国への航路が集中しています。いまや、国内向け貨物の取扱量において全国1位を揺るぎないものにしています。
「さんふらわあ」以外もあった大洗~苫小牧航路
「さんふらわあ」シリーズの船が関東~北海道航路の顔となっていったのにも紆余曲折があります。
もともと「さんふらわあ」シリーズは西日本を中心に運航されており、関東では日本高速フェリーの東京~高知航路(後に廃止)に就航していました。同航路が日本沿海フェリーへ譲渡されるなどして「さんふらわあ」シリーズが商船三井グループへ帰属して以降、東日本にも展開されるようになったのです。
大洗~苫小牧、東京~苫小牧航路ともに「さんふらわあ」シリーズが就航しますが、大洗~苫小牧航路へ一本化したのち、東日本フェリーとの共同運航という形態が4年強続きます。この間は大洗~苫小牧航路にも「さんふらわあ」ではない船が就航していましたが、2007年(平成19)年に東日本フェリーが撤退すると、旧東日本フェリーの船もすべて「さんふらわあ」ブランドへ統一されました。
現在の大洗~苫小牧航路には「夕方便」と「深夜便」計4隻で運航されていますが、深夜便の「さんふらわあ だいせつ」「さんふらわあ しれとこ」は、もともと東日本フェリーの「ニューれいんぼうらぶ」「ニューれいんぼうべる」です。
深夜便の2隻はどちらかといえばトラック向けということもあり、「モノクラス(全て同一等級)で、飲食は自販機のみでの販売であるなど、カジュアルな作りになっています」(商船三井フェリー)とのこと。
このうち「さんふらわあ だいせつ」で忘れてはならないのが、2015(平成27)年7月に起きた車両甲板での火災事故です。積載されていたトラックの保冷機がショートし、その火が別のトラックに未申告で積まれていた大量のガスボンベに引火、航海士1名が亡くなりました。
これ以後、商船三井フェリーはソフト・ハード両面で火災対策を大幅に強化。カーフェリー4隻には、国内フェリーで初めて、トラックに架装された可搬式の泡消火栓ユニット(CAFSユニット)を装備しています。かんたんにいうと、消防車がフェリーに常駐している、ということです。
「部屋でゆっくり」「甲板でイルカを見る」選べるのがフェリーの強み
大洗~苫小牧航路が商船三井フェリー単独に、かつ「さんふらわあ」シリーズで統一されてから14年。2017年には夕方便に個室志向の新造船「さんふらわあ ふらの」「さんふらわあ さっぽろ」も就航し、ますます豪華になっています。
しかし、そこへ新型コロナウイルスが影を落とします。2020年度は前年度比で旅客が4割減少したといいますが、そうしたなかで商船三井フェリーは、船内のコロナ対策を強化してきました。
たとえば、夕方便の共用部に紫外線殺菌装置「エアロシールド」を設置しているほか、階段の手すりや自動販売機のボタンなどのひとつひとつに、特定のウイルスを99.99%減少させるという抗菌フィルムを貼付。販売する座席も制限して乗客同士の距離を確保しているそうです。
船旅の楽しみでもあった船内イベントもすべて中止されていますが、そもそも、コロナを機に乗客の過ごし方も変わってきているとのこと。
客室の大半が個室になっている大洗~苫小牧航路の夕方便は、数ある交通機関において、密を避ける観点で最も有利なもののひとつと言えるかもしれません。実際、「お部屋から出ずに過ごされるお客様も増えました。人と触れ合わずにすむからフェリーを選んだ、というお声もあります」(商船三井フェリー)ということです。
もちろん、甲板に出れば太平洋に沈む巨大な夕日も、ときには船と並走するイルカの姿も見ることができます。部屋風呂もありますが、船内の海を望む大浴場はサウナ付き。共用部の手すりの消毒などもこまめに行われているのも安心できるところです。飛行機やバス、電車とちがい、安心して過ごし方を「選べる」点がフェリーの大きな魅力でしょう。
また、2020年は新型コロナの影響で飛行機の運賃が大幅に安くなっていたところ、減便や小型化が定着したこともあり、それほど安くならなくなってきているといいます。このため、割安感のあるフェリーの利用も増えてきているそうです。
20周年でお得なキャンペーン
創立20周年の商船三井フェリー、今年は次のようなキャンペーンも実施されます。
●創立20周年割引
・内容:旅客運賃A・B期間20%引き ・C期間10%引き、乗用車航送運賃10%引き
・適用日:7月2日(金)から9月30日(木)までのA・B・C期間出航便
●2021年7月1日創立記念日割引
・内容:旅客運賃50%引き、乗用車航送運賃20%引き
・適用日:7月1日(木)出航便
●記念行事
・7月1日(木)出航便でウェルカムドリンクサービス
・豪華景品の当たる20周年記念クイズキャンペーン
・その他
詳しくは同社公式ページでご確認ください(記念行事等は変更の場合もあります)。
これとは別に、東京駅~大洗港間までのバス運賃(ただし直通バスは運休中)、大洗~苫小牧間のフェリー運賃(ツーリスト)、苫小牧港~札幌駅間のバス運賃がセットで片道1万1000円の「パシフィック・ストーリー」も引き続き販売されています。
○創立20周年割引特設ページ
https://www.sunflower.co.jp/20th_anniversary/
なお、新型コロナの影響で夕食、朝食ともバイキング形式を中止していましたが、感染防止対策を施したうえで、バイキングを復活させているほか、昼食ではオリジナルスイーツの提供も開始したそうです。フェリーもまた「ニューノーマル」が定着しつつあります。
○商船三井フェリー公式ページ
https://www.sunflower.co.jp/
【了】