スタッドレスタイヤの寿命は意外と短い! 昨シーズンのものが大丈夫とは限らないワケ〈PR〉
新品はさておき、昨シーズンも使用していた冬タイヤは、履き替えただけで安心していると思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。タイヤには決して避けられない寿命があるからです。特にスタッドレスは油断禁物、その理由を解説します。
そのタイヤ、もう寿命じゃない?
世のなかの製品には、さまざまな材料が使われています。タイヤにおもに使われているのはゴムとなります。そのゴムは、ほかにも日用品として数多くの製品を身近に見ることができるもの。輪ゴムにはじまり、消しゴムやパッキン、下着や靴下のゴムなど、非常に数多く存在します。そして、そのどのゴムも、いつかは劣化します。硬くなってしまったり、伸びてしまったり。ご存知のように、ゴム製品はいつか寿命の尽きる日を迎えてしまうのです。
そうした意味で、タイヤもゴム製品ですから、いつかは劣化し、交換する日がやってきます。そこで、これからの季節で気になるのが、スタッドレスタイヤの寿命でしょう。いま履いているスタッドレスタイヤは、まだ使い続けることができるのか、それとも新品に買い替えなければならないのか……もしも現在、装着中のスタッドレスタイヤの寿命が尽きていれば、思わぬスリップ事故に遭う危険性にさらされていると言っていいでしょう。気を付けなければなりません。
では、実際のところスタッドレスタイヤの寿命は、いつやってくるのでしょうか。それはふたつのポイントを見てください。ひとつが摩耗にともなう寿命、すなわち「溝の深さ」で、もうひとつが上述のようなゴムそのものの寿命、すなわち「作ってからの時間」です。
摩耗したタイヤは危険、具体的にどう危ないの?
タイヤが減って、溝の深さが浅くなるとどうなるのかといえば、水はけが悪化します。濡れた路面でタイヤが水に浮きやすくなるのです。
では運転をしていて、具体的にどのような影響をうけるのでしょうか。端的に言えば、ブレーキが効きにくくなります。そのためにサマータイヤには、溝の残りが1.6mmほどになると、交換時期を知らせる「スリップサイン」が用意されています。これはタイヤの溝の一部が溝底から1.6mm高くなっていて、そこまでタイヤが減ると、一目でわかるような工夫が凝らされているのです。「この目印(サイン)が出たらスリップしやすくなるので、タイヤを交換しましょう」という意味で、「スリップサイン」と呼ばれています。
それと同じものがスタッドレスタイヤにも存在します。それが「プラットホーム」です。サマータイヤの溝は新品時、おおむね8mm前後といわれていて、交換のスリップサインが現れるのはその残りの溝の深さが1.6mmになったとき(新品時からおよそ20%)でしたが、スタッドレスタイヤの基準は、もっと厳しいもので、なんと「新品から50%」。溝の深さが半分になったら、交換時期となります。サマータイヤの感覚で「まだ大丈夫」とは思わず、スタッドレスタイヤはこまめに溝の深さを確認する必要があるのです。
ゴムの劣化は回避不可、では長持ちさせる方法は…?
タイヤの寿命、もうひとつの要件が「作ってからの時間」です。タイヤはゴムでできており、ゴムは時間と共に劣化します。つまり「生モノ」ですから、いつまでも永遠に使えるわけではありません。その目安は、サマータイヤの場合は6年前後と言われています。そして、こちらの面でもスタッドレスタイヤはより厳しい現実となっています。だいたい3年から4年が交換の目安です。
ちなみに製造年月日は、タイヤの側面に「1116」などと4桁の数字で示されていて、最初の2けたが製造週でその年の何週目なのかを、後ろの2けたが西暦の下2けたを表しています。「1116」ならば、11週目ということで3月の第3週目という意味、「16」は2016年を意味します。それを見て、「作られてからの時間」を確認してください。
また、「作ってからの時間」は、保管状況によっても左右されます。日当たりの良い屋外に放置してあるよりも、日陰の室内保管のほうが良い状態を長く持続できます。置き場所に困るようであれば、オートバックスなどが実施している、保管サービスを利用するのもおすすめです。条件の良い場所でタイヤを保管できるというメリットがあります。加えて、オートバックスでは、硬度計を使ってスタッドレスタイヤの劣化具合をチェックしてくれるのも嬉しいところです。
さらに、保管サービス利用者はタイヤに一切手をふれないまま、自分のクルマのタイヤを履き替えられる(交換してもらえる)サービスも実施しているとのことです。最近人気のSUV車などはタイヤサイズが大きく、そのぶん重くなっており、車庫から出したり片付けたりするだけでも大変なもの。利用したいという需要は大きいかもしれません。
冬場に、雪道や凍結路を安心して走るためにはスタッドレスタイヤがなくてはならない存在です。そして、その肝心かなめのスタッドレスタイヤが寿命切れになっていないかどうか、非常に重要なので、本格的な雪のシーズンになる前に、ぜひとも確認しておきましょう。
【オートバックス 公式サイト】
オートバックスのタイヤ保管サービス
【了】
Writer: 鈴木ケンイチ(モータージャーナリスト)
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体にて新車レポートやエンジニア・インタビューなどを広く執筆。中国をはじめ、アジア各地のモーターショー取材を数多くこなしている。1966年生まれ。