日本では体験できない!「列車に乗ったまま船へ」 鉄道連絡船の車両航送 読み込み中... 拡大画像 車両甲板の全景。この船では船首から進入するとすぐに3線分岐となり、中心部はさらに分岐して合計4線となる構造だ。編成が長いときは車両に接触しそうなほどギリギリに格納する(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 「Deluxe」は個室が枕木方向に連なる設計。1部屋で1〜3人まで利用でき、洗面が装備されている。これは3人利用時。少々狭く感じる。ハシゴが窓側に立てかけられる(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 「Deluxe」の1人利用は広々としている。1人個室を希望する場合は、ネットで申し込む際に1人利用に設定して「Deluxe Uso singolo Cabina Intera」を選択する。個室のシングルユースである(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 「Comfort」のクシェット4人部屋。ベッドは枕木方向で、通路が片側に寄る。ブルートレインの“Bハネ”と呼ばれたオープンタイプと似ておりカーテンがない。「あけぼの」のゴロンとシートのようだ。昼行時は座席となる(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 ヴィラ・サン・ジョパンニ駅へ到着して発車。いったん南下しながら構内はずれの側線へ入っていった(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 ヴィラ・サン・ジョパンニ駅は1段高くなったところにホームがあり、鉄道連絡船は線路と並行しているが、1段下がった岸壁に配置されている。構内とホームは広々としており、青函航路や宇高航路の線路配置と比較するとかなり余裕のある設計に見えた(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 4両ほどに分割され、いよいよこの車両の出番。後ろから構内機関車に押されながら低速で艀へ到着し、船と岸壁を連結する可動橋を渡るところ(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 いよいよ船内へ。船首部分から入っていく。車両甲板はカーフェリーのように明るい。客車の通路で観察していると、さっそく作業員と目があって笑顔で挨拶(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 既に1ユニット分の客車を格納したあと。車両甲板の分岐器を渡って進入していく。ここでも作業員が笑みを浮かべて挨拶をする。「ようこそ!」(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 車両甲板に格納され固定後、乗客は車内に残っていてもよし、船内へ移動してもよし。ホームはなく踏み台を伝って降りるので、けっこうな高さがある(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 ドアが開いたら降車して上部甲板(アッパーデッキ)へ移動できる。まだ夜明け前であったが、数人の寝られない乗客が降車し、甲板へ上がっていった(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 船尾側を見る。青函航路では船尾から航送していたが、メッシーナ海峡では船尾部にも線路があるものの車止めをされていて機能していなかった。運航方法や岸壁の構造が日本と異なると考えられる(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 車止めはスクリュー式連結器の固定装置が備わる。さすがに客車固定作業中は危険で降車できないが、クリアランスがないほど客車を車止めに押し込み、背後の十字ハンドルを使用して連結器を固定すると想像した(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 上部甲板の客室へ上がる階段。カーフェリーと同じような構造である。旅客は客車間をすり抜けて車両甲板を歩き、この階段を上がっていく(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 階段部から客車を見る。奥側が船尾部である。手前が個室車両の「Deluxe」で、奥の2両は「Comfort」。車両甲板に客車が格納されると迫力を感じずにはいられない(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 船内の案内看板。「Train Deck」が車両甲板だ。乗船した船名は「SCILLA(シッラ)」。本土のカラブリア州レッジョにある地名だ。ヴィラ・サン・ジョパンニの少し北側にある(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 長距離航路ではないので、船室には簡素な椅子が並ぶだけである。駅の待合所のような空間であった。船は鉄道だけでなくクルマも航送するため、時間帯によっては船室が賑やかになることもあるだろう(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 目と鼻の先のメッシーナ駅構内の桟橋に着岸する。出港から約20分と、渡船なみの短さだ。船首から着岸してハッチが上がり、可動橋が降りてくる。作業員は談話しながら見守っている(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 作業員を撮影するついでに撮らせてもらったカット。着岸して可動橋が降り切る瞬間である。可動橋の1/3の部分に3線分岐器を配し、船内の線路とピッタリと合う。若干の構造の違いはあるものの日本の鉄道連絡船の可動橋と同じである(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 着岸後は車内へ入らないと、すぐに構内用機関車が進入してくるので注意。機関車と控え用の貨車と客車を使用して連結作業を行う。勢いよく連結したが、こちらの客車は固定されているので、連結面のバッファーが緩衝の役目を果たしてくれる(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 客車に乗車した状態でシチリア島へ上陸した。車内の窓から覗くと船首の形状に型どられた岸壁部分が確認できる。構内用機関車に牽引されてメッシーナ駅へ到着し、しばらく列車の組成作業を行う(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 メッシーナ駅のホームに到着後は降車できる。先頭部にはディーゼル機関車と控え用の貨車と客車がいた。日本では可動橋の重量制限があるため、機関車と航送車両の間に控車を数両連結して可動橋に機関車を進入させなかったが、それと同じ理由だと考えられる(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 メッシーナ駅で編成組成をする際に、カターニャ行きとパレルモ行きとに別れる。この時点で間違えて乗車しないよう注意。右がカターニャ行き、左がパレルモ行きである。機関車が年季入っているのはご愛嬌(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 カターニャ行きに電気機関車が連結され、地上の職員から機関士へと書類が渡される。乗客は狭い客室内よりもホームの方が良いと見えて、発車前までホームでタバコを片手に紫煙を燻らせ、機関士の作業を見つめていた(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 右がカターニャ行き、左がパレルモ行きであるが判別しにくい。行き先はホームの電光掲示板に表示されているので、見落とさないよう注意(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 シチリア島からの帰りはパレルモから寝台列車を利用した。その時の写真である。メッシーナ駅からは編成のまま船に突っ込み、可動橋付近で連結器を解放してバック。転線作業完了後に再び突っ込んでバックを繰り返していた(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 帰りの寝台列車乗車時の写真である。乗車したパレルモ発の車両が先に航送完了し、カターニャ発の車両が後から格納されてくるところ。イタリアはイタズラ書きのひどい車両も多く、「Comfort」の文字が塗りつぶされていた。行きの列車と塗色が異なるが、車内設備は同じだ(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 メッシーナ駅からヴィラ・サン・ジョパンニ駅へ向かう船上。ブリッジにはクリスマスツリーが輝いていた。前方はヴィラ・サン・ジョパンニの街の灯り(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 客車に乗車した状態でシチリア島へ上陸した。車内の窓から覗くと船首の形状に型どられた岸壁部分が確認できる。構内用機関車に牽引されてメッシーナ駅へ到着し、しばらく列車の組成作業を行う(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 ローマ・テルミニ駅。乗車予定の列車は始発駅なのに時間通りに来ず、出発予定の15分後に入線してきた。時刻通りに発車する場合もあるので要注意。編成は4人部屋クシェットの「Comfort」、1~3人個室の「Deluxe」、シャワーとトイレ付き個室「Excelsior」である(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 寝台列車の乗客が数人甲板に上がり、まだ白む前の夜風にあたりながら短い航海の時を過ごしていた(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 「Deluxe」と「Excelsior」の合造車。日本でいうところの「北斗星」のロイヤル・ソロ合造車オロハネ25-500のような車両だ。「Excelsior」には4つ星が描かれている。日本のブルートレインではカルテットが4つ星であった(2018年11月、吉永陽一撮影)。 拡大画像 ヴィラ・サン・ジョパンニ駅の岸壁に着岸するところ。青函航路とは逆で、V字となった岸壁に船首から突っ込む形で入港する。船首のハッチが開きかけており、そこから車両を出し入れする。この時点で客車へ戻らないと、列車はすぐに動いてしまう(2018年11月、吉永陽一撮影)。 この画像の記事を読む