戦前も同一ホームだったJR山手線渋谷駅 いつ、なぜ2面に? 外回りホームと共に消えた“記憶” 読み込み中... 1919年の渋谷周辺。初代渋谷駅は、移転前のJR埼京線ホームの位置にあった(時系列地形図閲覧ソフト「今昔マップ3」[(C)谷 謙二]を加工)。 拡大画像 JR山手線ホームの工事概要(画像:JR東日本)。 拡大画像 外回りホーム恵比寿側を見る。左手は内回りホームで、同一ホーム化の準備工事が実施済みであった。駅名標は撤去しやすい木製パネル。 拡大画像 曲面構造の駅事務室。最終日には「82年間ありがとう」の挨拶が掲示されていた。駅事務室の奥は立ち食いそばのスタンドがあった場所で、一時期ご当地ものが食せる「どん兵衛スタンド」になっていた。 拡大画像 外回り電車が進入する。線路付け替え工事が始まる前は勢いよく進入してきたが、ホーム移設工事直前では徐行してくる。 拡大画像 2022年12月30日は“黒い山手線”こと鉄道開業150周年号の外回り運行最終日。この組み合わせも30日限りであった。 拡大画像 南改札口から1番線外回りホームへ上がる階段とエスカレーター。階段には乗降方向を示す矢印が描かれているが、これに注意する人はどれだけいただろうか。 拡大画像 南改札口からエスカレーターで上がると、ホーム部分は少々広い。左手にキオスクがあったが、既に撤退済みであった。 拡大画像 南改札口へ通じる小さなエレベーターがある。巻き取り式ではなく油圧リフトのようで、動作はかなりゆっくりとしていた。 拡大画像 ホーム開設時から存在すると思える鋼鉄の支柱。天井部はあまり観察したことがないが、鉄骨で組まれていた。支柱はリベット打ちのシングルレーシング(靴紐のようなジグザグの板)で、年季が入っている。 拡大画像 従来の鉄骨と仮設の構造体が入り混じった天井部分。場所は東京メトロ銀座線乗り場付近の真下である。 拡大画像 青色の銀座線高架橋部分が迫り出している。これは開設時からのもので、紛れもなく戦前製だ。 拡大画像 終日運休の告知ポスターと9日からのホーム利用方法。何気ない広告だが後々貴重な資料になることも。 拡大画像 渋谷駅のオリジナルキャラクター「しぶやぎ」が新年の挨拶をしていた。このホームでの挨拶もこれが最後。 拡大画像 渋谷駅の全景。左端が旧東急百貨店東横店西館、中心が南館。それぞれ4階付近で解体がストップしている。この場所には中層と低層のビルが建設される予定だ。 拡大画像 国道246号を跨ぐ歩道橋から狙う。上部は首都高速道路だ。このガラス張りも外回りホームの特徴的な外観であった。 拡大画像 ガラス越しから外回り電車を見る。こうして乗客が待って乗車する光景もあと少しだ。 拡大画像 南改札口の先は仮設通路のようになっている。1番線表記の矢印はもう存在しない。 拡大画像 南改札口から1番線外回りホームへ。2021年の改良工事までは写真奥に改札口があった。 拡大画像 ホーム切替工事の前、1月4日の終電後にハチ公口付近の屋根は工事の関係により事前撤去された。今まで見たことのない、空がよく見える外回りホーム。 拡大画像 屋根の撤去された箇所。上側の青い部分は銀座線の高架橋である。ホーム横に立てかけてある白い大きな板は、7〜8日の工事中に新たな屋根になるという。準備のために仮設置されていた。 拡大画像 1月7日午前0時39分。遅延していた終電2423Gがゆっくりと進入してきた。見通しの悪いカーブ状のホームでは駅長が安全確認を行い、電車を出迎えていた。 拡大画像 2号車付近の柱に掲示された駅名標。終電のテールライトが闇夜に消えていく最中の一枚。余韻に浸る間も無くホーム撤去工事が始まるため、残った駅利用者(鉄道ファン)は警備員に促されて最寄りの改札口を出た。 拡大画像 ハチ公口改札口。1番線外回りホームは赤テープによって立入禁止となった。83年間の幕が降りた瞬間だ。 拡大画像 4時間後の初電前。南改札口の1番線列車表示から明かりが消えていた。 拡大画像 始発までの間に立入禁止のバリケードが設置されていた。 拡大画像 階段上にある中央改札口。奥が1番線外回りホーム乗り場で、既にバリケードがされている。この改札口コンコースは1月下旬には閉鎖され、この位置より南側に新たなコンコースが利用開始となる。 拡大画像 終電から4時間後のハチ公口1番線への階段。ここも頑丈なバリケードで封鎖されていた。 拡大画像 ホームの撤去作業は終電後すぐに開始された。その様子は内回りホームの金網越しに観察できる。工事の槌音と掛け声が響き渡り、大変にぎやかな現場だ。9日の初電までに完了しなければならない。ハチ公口付近から。 拡大画像 外回りホーム廃止後の早朝、内回り電車の始発が来る前の工事光景。工事中の状態は柵越しに見えた。外回りホームの中間地点では仮組みの木板を外し、レールも撤去していた。 拡大画像 外回りホーム撤去中の光景。この場所は恵比寿寄りの9号車付近である。ホームの土台は準備工事で既に仮組みの鉄骨になっていた。82年前の躯体はとうに撤去されていたことになる。 拡大画像 今回の工事では外回り線路の位置もずらすのだが、新宿寄りのガードも少々スライドする必要があった。そのため直下の道路は夜間通行止めにして作業が行われた。桁がジャッキで持ち上げられた姿。 拡大画像 新宿寄りでは見張り台があり作業員が詰めていた。背後は桜丘地区で建設中のビルで、「2023」と灯されていた。 拡大画像 何かとお馴染みのスクランブル交差点。一見していつもの光景だが、ガード下の道路は半分閉鎖され、ハチ公口の背後では工事がたけなわであった。 拡大画像 7日の早朝ではレールとホームの一部撤去作業が始まるところであったが、8日の夜間はレールの移動と再敷設、ホームの一部撤去が完了していた。今回の移設工事は順調に進行した。 拡大画像 恵比寿寄りでは発車していく内回り電車の傍らで線路のチェックを行っていた。架線のトロリ線は張り直され、真新しく輝いている。 拡大画像 大崎〜新宿間を走る臨時電車が3番線へ進入。振替輸送のため3番線は通常よりもかなり混雑していた。 拡大画像 恵比寿寄りの内回りホームから。左手のフェンスの先でホーム解体作業と線路切替作業が行われていた。9日からこの幅よりももう少し広い島式ホームとなる。 拡大画像 7〜8日の外回り電車運休中は、振替輸送としていくつかの臨時列車が走る。相鉄から乗り入れる列車は普段新宿駅止まりだが、臨時として池袋駅まで延長運転する。朝一番の海老名発池袋行きを、恵比寿〜渋谷間にて。 拡大画像 大崎〜新宿間はE231系やE233系を使用した臨時列車が設定された。臨時運行の始発列車を、恵比寿〜渋谷間にて。 拡大画像 山手線外回りホームにずらっと待機する軌陸車の列と、臨時池袋行きの相鉄車両を恵比寿〜渋谷間にて。 拡大画像 山手線は内回り電車が運行している。軌陸車は高所作業用だ。2日間しか見ることのできない姿。恵比寿〜渋谷間。 拡大画像 新宿発大崎行き臨時運行の下り始発列車。こちらはE233系であった。上下列車ともに方向幕表記は「臨時」である。恵比寿〜渋谷間。 拡大画像 1月9日の朝4時過ぎ、いよいよ始発電車から島式ホームとして使用開始となった。南改札口から登る階段は内回りホームであったものをそのまま利用する。番線表示が1・2番線と並ぶのは83年ぶりのことである。 拡大画像 島式ホームに立つと旧外回りホームが目の前で観察できる。写真左は銀座線が交差する高架橋。右上のレンガのように見えるのは、おそらく旧・東横店西館の前身である玉電ビル時代のタイルが露出しているのだと思う。玉電ビルは1938年に4階部分まで建設されて工事が中断した。 拡大画像 一番電車が発車。閉鎖された旧外回りホームハチ公口階段を横目に静かに走り出していった。 拡大画像 ハチ公口は既存の内回り用をそのまま使用している。階段の間口などに変化はない。ハチ公口は今後も混雑が予想されよう。 拡大画像 ホーム中間地点は長年渋谷駅の真上を支えてきた鉄骨がまだ残されていた。こういった既存の構造体もやがて撤去されていく。 拡大画像 鉄骨が残されている部分を横から見る。かつてこの場所から右側には玉川改札口があった。駅名標と案内板がまだ掲示されていたが、これらも気が付いたら撤去されるだろう。この辺りのホーム土台は鉄筋コンクリートのままであった。 拡大画像 中央改札口へ上がる階段には古レールで組まれた補強がまだ残されていた。 拡大画像 今度は内回り電車の始発が到着する。ホームの中間地点より恵比寿寄りは工事囲いがなく広々としている。線路側へ向かっていたベンチも枕木方向へとなった。渋谷駅から乗車するときは混雑しそうなハチ公口を避け、広々とした恵比寿寄りを利用した方が良さそうだ。 拡大画像 前日の夜間は線路の確認を行っていたが、運転再開となって滞りなく外回り電車が到着している。 拡大画像 銀座線とクロスする箇所の屋根は撤去されていたが、工事開始前からホーム屋根が仮置きされており、写真左のように設置された。右手上方は解体途中の東急百貨店東横店西館で、玉電ビル時代の躯体部分と思われる。 拡大画像 ハチ公口改札。バリケードで完全に封鎖された旧外回りホームへの階段。これからは奥の1・2番線階段を利用する。 拡大画像 外回りホームの旧駅事務所には、82年6か月間の労いを込めて掲示された「1940.7〜2023.1」さよなら横断幕が残っていた。そこを横目に外回り電車が発車していく。旧ホームの土台の鉄骨は仮組みのため、いずれ撤去されていく。 拡大画像 JR渋谷駅は午前4時37分発の外回り電車が一番列車だ。島式ホームに初めて旅客列車が到着した瞬間。飲み明かした人々、工事関係者、始発電車を一目見ようと集まった鉄道ファンが入り混ざり、大変にぎやかな光景であった(2023年1月9日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 早朝の光景。内回りは運行しており、工事中の光景は柵越しに見えた。ハチ公口付近では土台となっていた鉄骨の切断作業が行われていた。この鉄骨も予め準備工事によって仮組みされていたという(2023年1月7日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 ついに終電が発車。駅長と駅係員が見送る。この電車が去ると、乗降客が去って静かめなホームはより一層静まっていた(2023年1月7日、吉永陽一撮影)。 この画像の記事を読む