鉄道車両の顔認識? 先頭の窓にベタピンEOS R6 Mark IIと西九州新幹線撮影旅へ〈PR〉

キヤノンの最新フルサイズミラーレスカメラ「EOS R6 Mark II」には、鉄道車両を被写体として検出、追従する機能が搭載されました。これを手に西九州新幹線を撮影すべく、長崎県と佐賀県を巡る旅に出ました。

EOS史上最速の連写性能を誇る

 2022年12月15日キヤノンの最新フルサイズミラーレスカメラ「EOS R6 Mark II」が発売されました。初代モデルとなるEOS R6の発売からまだ約2年でのモデルチェンジということで、筆者(村上悠太:鉄道写真家)は正直「少し早いかな?」という印象がありましたが、実際に手にとって鉄道を撮影してみると、想像以上に「楽しい」カメラに進化していました。

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キヤノンの最新フルサイズミラーレスカメラ「EOS R6 Mark II」を用いて、西九州新幹線とJR大村線を同時に狙う(2022年12月、村上悠太撮影)。

 EOS Rシリーズの中ではハイアマチュアモデルとして位置づけられているEOS R6 Mark IIは、ではどう「楽しい」カメラなのでしょうか、実践を交えながらお伝えしたいと思います。

 高速走行中の列車を狙うことが多い鉄道写真の撮影では、やはり連写性能は最初に気になるスペックのひとつです。EOS R6 Mark IIは電子シャッターを使用すると、なんと最高で約40コマ/秒もの連写撮影が可能です。初代のEOS R6は同じく電子シャッター使用で約20コマ/秒でしたので、まさに倍速へと達しました。EOSシリーズ全体で見ても、史上最速の連写性能です。

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EOS R6 Mark II(乗りものニュース編集部撮影)。

 そして、初代モデルから大幅に進化したのが「AFシステム」です。EOS R6 Mark IIはEOS R3などに搭載されている「トラッキングAF」を搭載し、被写体を検出しながらトラッキング(追従)をしてくれます。そしてEOSで初めて、鉄道車両を被写体として検出することが可能になりました。これにより、ファインダー内に様々な被写体が存在していても、EOS R6 Mark IIが自動的に鉄道車両を検出し、画面全域でトラッキングしてピントを合わせてくれます。

 とはいえ実際に現場で使ってみないことには、その真価はわかりません。ということで、EOS R6 Mark IIとともにやってきたのは西九州、2022年9月23日に開業した西九州新幹線のほか、大村湾の絶景を望むことができるJR大村線など、見どころ満載のエリアです。

開業前から有名なスポットへ

 最初にカメラを構えたのは、西九州新幹線で最も有名な撮影地、長崎県大村市松原地区です。ここは大村湾の風景を新幹線とともに写し込めるということで、開業以前から多くの人が写真撮影や新幹線ウォッチングに訪れており、すっかり沿線の一大ビュースポットとなっています。そうした訪問者への地元の方のご理解も深く、さらには開業後、地元の方のご厚意で飲み物の自動販売機まで設置していただいた、素晴らしすぎるポイントでもあります。ぜひ末永く、マナー良く訪れたいスポットです。

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長崎県大村市にある、西九州新幹線の有名撮影スポット(2022年12月、村上悠太撮影)。

 この撮影地を通過する「かもめ」は、トップスピードに近い速度のため、カメラの連写性能が試されるといえるでしょう。ここで、EOS R6 Mark IIが約40コマ/秒連写のその性能をいかんなく発揮します。架線柱と架線柱の間に「かもめ」の先頭部を収められただけでなく、その中でもより理想的な位置に列車を配置することができました。

 さらに、一般的にカメラの電子シャッターは、高速で動く被写体を撮影すると独特の歪みを生じさせることがありますが、EOS R6 Mark IIではほとんどの鉄道撮影シーンにおいて、歪みを感じることはありませんでした。

高画素かつ高感度 それがR6 Mark IIだ

 松原地区は付近に大村線の撮影スポットも点在します。西九州新幹線の撮影の合間に訪れれば、新幹線とローカル線というふたつの鉄道情景を効率良く撮影して回ることができるでしょう。先ほど新幹線を撮影したポイントから車で15分ほどの、大村線と大村湾を一望できるポイントにやってきました。

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JR大村線の背後には大村湾が広がる(2022年12月、村上悠太撮影)。
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「ふたつ星4047」を長崎本線(旧線)の東園駅付近で撮影。(2022 年 12 月、村上悠太撮影)。
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JR大村線を撮影する筆者(村上悠太)奥には大村湾が広がる(2022年12月、乗りものニュース編集部撮影)。

 連写、AF性能のほか、EOS R6 Mark IIの進化点として見逃せないのが「画素数の向上」です。初代モデルは約2010万画素のフルサイズセンサーを搭載していたところを、EOS R6 Mark IIでは約2420万画素と、高画素化が図られました。同クラス機種であるEOS R5に比べ、画素数をあえて抑えているEOS R6は、その特徴のひとつに高感度性能の高さがありますが、EOS R6 Mark IIはその性能を維持したまま高画素化を達成しています。画素数と高感度性能は、一般的にどちらかを高めるとどちらかが低下する反比例関係にあるなか、その両方の向上が絶妙なバランスで図られているのです。この撮影地のように風景的な狙いでも、細部まできちんと解像感ある1枚を描き出してくれました。

「太陽」も「かもめ」もダイヤが決まっている

 日が暮れたあとは、長崎駅を見下ろせる高台へ。「長崎の夜景」をテーマにして、夜間撮影にチャレンジしました。この日の日没は17時15分ごろ。撮影好適時間の「かもめ」が長崎駅を出発するのは17時42分。夜景の場合、おおよそ日没後20分から30分くらいに撮影すると、列車と情景の露出のバランスが良いので、この日は絶好のシチュエーションになります。太陽も「かもめ」もダイヤが決まっているので、日中のみならず、実はいつでも撮影できそうな夜景×「かもめ」のコラボレーションでも、訪問するタイミングが重要なのです。

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「長崎の夜景」をテーマに、長崎駅を見下ろせる高台へ(2022年12月、村上悠太撮影)。

 一般的に夜景を撮影する場合、三脚とスローシャッターを用いて撮影をすることが多いのですが、せっかく高感度撮影に強いEOS R6 Mark IIですから、可能な限り速いシャッタースピードを使用し、列車を写し止めた夜景撮影をしてみましょう。

 レンズはRF70-200mm F2.8L IS USMをチョイスしました。夜間撮影は開放F値が低い、つまり明るいレンズの優位性を特に感じます。テスト撮影で「かもめ」がブレない限界のシャッタースピードを確認し、1/250秒にセット、絞りは開放のF2.8です。あとはISOで露出を調整していきます。

 最初は低感度でも余裕で撮影できる明るさでしたが、日没後、どんどん露出が下がっていき、本命の「かもめ」がやってきた時にはISO25600で撮影することに。そのような超高感度撮影でありながら、車体のディテールはもちろん、レールや建物の解像感もしっかり維持してくれました。ノイズがないわけではありませんが、それでもここまでの高画質で夜の長崎を発つ「かもめ」の姿をしっかりと写し止めることができるという、大きなインパクトの方が勝ります。

鉄っちゃん待望!鉄道検出AFの威力

 EOS R6 Mark IIを堪能するのに1日では足りないということで、翌日にやってきたのは「かもめ」をアップで撮影できるポイントです。こちらでは鉄っちゃん待望の「鉄道検出AF」を試してみます。

 最近のEOSシリーズには、人物、猫や犬、車、瞳というように、特定の被写体をカメラが検出してピントを追従してくれる、被写体検出+トラッキングAFが搭載されています。これまでも「乗り物優先」検出は可能でしたが、どちらかというとレーシングカーやバイクなど、モータースポーツ系の乗りものに対応していた機能でした。

 しかし。EOS R6 Mark IIではついに、「乗り物優先」検出の被写体として、「鉄道」が追加されたのです。ファインダーの中に鉄道車両を検出すると、自動的にAFフレームが移動し、これをトラッキングします。しかも、新幹線のように流線型の車体の場合は運転室の窓部分をピンポイントに狙って追ってくれるのです。「かもめ」はまさに流線型のN700S。EOS R6 Mark IIで鉄道検出を行うと、的確に運転室部分を検出しトラッキングしました。この滑らかな動作はとても気持ちよく、そしてピントもきっちり追従してくれるので、こちらに向かってくる「かもめ」に対し、全カットでピントを合わせてくれました。

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特定の被写体をカメラが検出してピントを追従してくれる「被写体検出+トラッキングAF」機能に、ついに「鉄道」が認識被写体として追加された(2022年12月、村上悠太撮影)。
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鉄道を被写体として認識している際は、運転席周りに「□」が表示される(2022年12月、村上悠太撮影)。
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高速連写でもしっかりと追従してくれた(2022年12月、村上悠太撮影)。
「乗りものチャンネル」で取材動画を公開中です。

 EOS歴代最速を誇る約40コマ/秒の超速連写に、美しい高感度画質と解像感、そして鉄道検出が可能になったAFシステム。EOS R6 Mark IIはきっと鉄道撮影を、誰にとってもより楽しいものにしてくれるはずです。

●さらに詳しいキヤノン「EOS R6 Mark Ⅱ」の情報はこちら

【了】

【画像】西九州新幹線撮影の様子をたっぷり見る!

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Writer: 村上悠太(鉄道写真家)

1987年生まれでJRと同い年、鉄道発祥の地新橋生まれの鉄道写真家。車両はもちろん、鉄道に関わる様々な世界にレンズを向ける。元々乗り鉄なので、車でロケに出かけても時間ができれば車をおいてカメラといっしょに列車旅を楽しんでいる。日本鉄道写真作家協会会員、キヤノンEOS学園講師。

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