「日本一“長い時間を走る普通列車”」1位は驚きの長さ! 長時間停車もすんごい!? 数減らす長距離普通列車“キングオブ鈍行”たち
長距離を走る普通列車は減少傾向にありますが、200km越えの列車もまだまだ健在。しかし所要時間で見ると、200km未満でも長い列車がいくつかあります。これぞ「キングオブ鈍行」と呼びたくなる列車を紹介します。
普通列車「5時間越え」はかなり貴重!
JRの普通列車が乗り放題となる「青春18きっぷ」などでチャレンジしたくなるような、長距離を走る普通列車が全国的に数を減らしています。一気に200km以上を走破するような列車は貴重な存在になってきました。

現在、日本で一番長い距離を走る普通列車はJR西日本の「新快速」で、福井県の「敦賀駅」から兵庫県の「播州赤穂駅」までを結ぶ列車です。走行距離は275.5km、所要時間は4時間6分となっています。ただし、この列車は途中で編成を併結・解放するため全線を走破する車両はありません。
他方、距離ではなく所要時間に着目すると、もっと長い列車もあります。特に「5時間」を超えるものはかなり貴重になってきましたが、どのような列車があるのでしょうか。
佐世保線「4920M」早岐-門司港
長崎・佐世保市の早岐(はいき)駅から佐世保線・長崎本線・鹿児島本線を直通する唯一の直通列車です。途中の江北(佐賀県)で長崎本線 肥前浜駅始発の列車(2824M)を併結し、8両で博多、門司港方面へ向かいます。
早岐発は5時33分、門司港着は10時35分。186.3kmを5時間2分かけて走ります。昨年は4時間58分でしたが、2025年3月ダイヤ改正により5時間を超えました。
根室本線「2529D」新得―釧路
かつて滝川-釧路間308.4kmを8時間21分かけて走る「日本最長の普通列車」が存在した根室本線ですが、2024年3月末に富良野-新得間が廃止され分断されてもなお、長時間を走る列車が存在します。
それは新得-釧路間172.1kmを走る2.5往復の普通列車で、うち新得15時01分発の釧路行きは5時間3分かかります。途中、帯広で17分、池田では57分も停車します。
宗谷本線「321D」旭川―稚内
旭川を6時10分に出発するこの列車は、北海道最長の鈍行でもあります。宗谷本線を起点から終点まで走破する普通列車はこの1本のみで、逆はありません。
総距離は259.4kmで、稚内には12時06分着です。2024年には所要6時間を超えていましたが、2025年3月に宗谷本線の3駅が廃止された影響もあるのか、現在の所要時間は5時間56分となっています。途中、名寄で16分、幌延で25分停車し、それぞれ列車番号も変わります。
飯田線「544M」上諏訪―豊橋
長野・静岡・愛知を南北に結ぶ飯田線では、全長195.7km、94駅を数える全線を走破する普通列車が3往復健在です。
なかでも中央本線の上諏訪駅を9時22分に発車し飯田線へ直通する豊橋行きは、総距離213.7kmを走って豊橋駅に16時16分着。所要時間は6時間54分という日本最長時間を走る普通列車です。
今後のダイヤ改正で多少、時刻は変わっても、“日本最長時間を走る鈍行”の舞台は飯田線で揺るぎなさそうです。
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