竹林から飛び出す「やくも」捉えた! キヤノン新型「EOS R8」で写す“国鉄型特急”最後のとき〈PR〉

“ガチな撮り鉄”にも“お散歩カメラ”にもなるキヤノンの最新機種「EOS R8」。その真価はどれほどなのか、島根県と岡山県で試してみました。映えスポットで「ばたでん」を、有名カーブで「やくも」を狙う。その都度、“絵作り”に集中できる性能に助けられました。

「こうあってほしい」が形になったミラーレスカメラ

撮影の様子は「乗りものチャンネル」の動画で確認できます。

 全国で当たり前のように運行されてきた国鉄型特急も、いよいよ最後のときを迎えています。岡山~出雲市間を結ぶ「やくも」にも、2024年春から新型273系電車が投入されるため、現行車両の381系のうち2編成は、国鉄色と「スーパーやくも色」に復刻のうえ運行されています。定期運行される最後の国鉄特急として、鉄道ファンの注目を集めています。

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国鉄色に復刻された、特急「やくも」に使われる国鉄型381系電車。備中川面駅付近(2023年6月、福島啓和撮影)。

 ちょうど4月に、キヤノンから最新型ミラーレスカメラ「EOS R8」が発売されたばかりなので、これを片手に2日かけ、「やくも」の走るJR伯備線沿線と島根県の一畑電鉄、旧三江線の宇都井駅跡を見てきました。

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「EOS R8」を手にする筆者(福島啓和)。

「クリエイティブフルサイズ」と銘打って登場した「EOS R8」はフルサイズエントリーモデルの位置付けですが、上位機種となる「EOS R6 Mark II」 のセンサーを搭載しており、被写体検出など最新の機能を手軽に楽しめる機種として仕上がっています。外形寸法は約132.5×86.1×70mm、重量は約461g(バッテリー、カードを含む)とダントツの軽量で、そのコンパクトさから気軽に持ち歩きたくなる存在です。

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キヤノンのフルサイズミラーレスカメラ最軽量の「EOS R8」。

 普段は軽量な単焦点レンズをつけて“お散歩カメラ”としても使いながら、本気の動体撮影もできる――理屈はいいとして実際に「EOS R8」は動体撮影にどこまで応えられるか、鉄道広告写真家として腕が鳴ります。軽量でコンパクトながら約2420万画素 の35mmフルサイズCMOSセンサー搭載、そして最高約40コマ/秒の高速連続撮影、さらに被写体検出機能とトラッキング性能を実現した「EOS R8」を体感してきました。

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エモーショナルな映えスポットで実力発揮

 最初に訪れたのは、一畑電鉄大社線沿線に位置する粟津稲生神社。赤い鳥居が幾重にも連なるフォトジェニックな場所だけに、近年ではインスタ映えスポットとしても有名です。最寄り駅からは多少離れていることもあり、クルマで訪問する人向けに地元の方が自宅敷地を駐車場として開放してくださっているのには感動しました。こういった好意に反することのないよう、マナーを守って撮影したいと思います。

 ここは撮影者の絵作りが試される場所だなぁ、とつくづく思わされました。選ぶレンズでどのようにでも表現できる場所には間違いないので、望遠系で鳥居を圧縮気味にし、抜けに一畑電車を入れる絵も試しましたが、「いや違う……」。試行錯誤している間に、曇りがちだった空が青くなり始め、赤い鳥居と青い空のコントラストで映えさせたくなってきたのです。

 超広角ズームのRF14-35mm F4 L IS USMに付け替えて、フルサイズを生かした煽り気味の構図にし、鳥居の中に一畑電車を入れてしまうという大胆な絵作りに変更。いい感じの構図になりました。電子シャッター、高速連続撮影+モードにして、一番手前の鳥居の中にすっぽり入ってくれれば大成功です。しかし2両編成だとまた雰囲気も変わってしまいます。

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一畑電鉄大社線沿線にある粟津稲生神社(2023年6月、福島啓和撮影)。

 ドキドキワクワクしながら列車を待ち、やって来たのは最新鋭の7000系電車1両編成でした。列車は見事に鳥居の柱のあいだにすっぽり収まり、しかもその様子は数カットも撮れているのです。最高約40コマ/秒の高速連続撮影がなければ実現できない撮影を体感できました。

次は“天空の駅”で「R8」の軽さを実感

 せっかく島根に来たので、かねてから訪ねたかった旧三江線の宇都井駅跡へ向かいました。旧三江線とは2018年4月1日付で廃止となった、江津~三次間を結んだJR西日本の路線です。100kmを超える鉄道路線の全線廃止は本州初の事例であり、当時は話題になりました。

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旧三江線の宇都井駅跡(2023年6月、福島啓和撮影)。

 中でも宇都井駅は山と山のあいだに作られており、線路は地上20mの場所にあります。ホームまで116段の階段を上らないと辿り着けない「天空の駅」として人気でした。鉄道建設公団が建設した区間の駅だけにその雰囲気は抜群で、コンクリートの質感がマニア心をくすぐり自然とカメラを向けてしまいます。ここでもレンズはRF14-35mm F4 L IS USMをチョイスしました。

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地上20mの高さにある(2023年6月、福島啓和撮影)。
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コンクリートの質感がマニア心をくすぐる(2023年6月、福島啓和撮影)。

 パースペクティブ効果を活かし、地上20mにある駅と高架橋を傾きかけた太陽をかすめながら煽って撮影。フルサイズだからこそのダイナミックな写真になりました。通常、宇都井駅跡はホームへ立ち入れませんが、最上階までは開放されているので、ホーム見たさに116段の階段に挑むことに。管理が行き届いた階段や待合室を見ると、地域の方が大切に手入れをされているのだと感じるとともに、全く古さを感じさせません。コンクリート打ちっぱなしの洒落た建物のようでした。

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最上階までは登れる。階段数は116段だ(2023年6月、福島啓和撮影)。
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軽くコンパクトな「R8」なら、重さを感じさせない(2023年6月、福島啓和撮影)。

 年齢48歳の私(福島啓和:鉄道広告写真家)には、さすがに116段の階段は辛いもの……と思いきや、「R8」だったからか疲労感はわずか。これがいつも使っているEOS R3+RF28-70mm F2 L USMだったらと思うと……。持っていることすら忘れてしまうほどの軽さとコンパクトさは大切であり、列車で旅をする時にはより実感すること間違いないでしょう。

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旧三江線の宇都井駅跡(2023年6月、福島啓和撮影)。

【画像】EOS R8で撮影した伯備線などの写真をもっと見る!(31枚)

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Writer: 福島啓和(鉄道広告写真家)

1975年生まれ、カレンダー・オフィシャルスチール及びムービーを撮影。JR九州の広告やJR時刻表の表紙を担当。2004年から広告写真スタジオ勤務を経験し、2013年鉄道広告写真家として独立、現在に至る。日本鉄道写真作家協会会員。

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