走らないからより“忠実” 隔週刊『鉄道車両 金属モデルコレクション』を模型ライター目線でチェック!〈PR〉

デアゴスティーニ・ジャパンから刊行中の隔週刊『鉄道車両 金属モデルコレクション』は、同社シリーズでは異例の高価格商品ながら、それに見合った精緻なディスプレイモデルが魅力です。今回は第7号以降の新情報を含めて紹介します。

好きな車両を飾って楽しめる『鉄道車両 金属モデルコレクション』

 ひと口に鉄道模型といってもさまざまな楽しみ方がありますが、これまで一般的に「鉄道模型は走らせて楽しむもの」という共通認識が支配的でした。時には車両の外観など模型としてのリアルさを犠牲にしても、スムーズで安定した走行を優先するのが鉄道模型の常識とされてきたのです。

 しかしながら、もっと気軽に鉄道模型の魅力を味わいたいという層の声を反映してか、近年はディスプレイに特化した製品も見られるようになりました。

 好みの車両を集めて部屋に飾り、眺めて楽しむという趣向で、クルマや飛行機などほかのジャンルのスケールモデルや、アニメや特撮、ロボットもののフィギュアなど、模型界全般で見ればむしろ当たり前の楽しみ方であり、鉄道模型においてもそれが認知されてきたということでしょう。

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創刊号から第6号までのラインナップ。各車両には写真の専用台座のほかアクリルケースが付属する。

 これまでさまざまな模型アイテムを書店流通の形式で発売してきたデアゴスティーニ・ジャパンの『鉄道車両 金属モデルコレクション』は、そうした鉄道模型のコレクションアイテム、ディスプレイモデルの決定版ともいえる内容で、最大の特長は国際規格であるHO(1/87)サイズを採用していることです。

 国内の鉄道模型の主流であるNスケール(Nゲージ。およそ1/150から1/160)に比べて実に2倍(体積比で8倍)近いビッグサイズで、そのぶん細部の再現性を高めるなどした商品が多く流通しています。

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付属のマガジンも実車の解説記事を始め充実した内容。
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第15号までのラインナップ一覧。第7号以降については続く段落で詳しく解説。

 また、シリーズ名に「金属モデル」とあるとおり車体はダイキャスト製で、美しい塗装と相まって、市販製品の主流であるプラスチック製品とはひと味違った重厚感が大きな魅力といえるでしょう。

第7号以降のビジュアル解禁! 国鉄・JRの名車が続々登場

『鉄道車両 金属モデルコレクション』のラインナップは、昭和から平成時代に活躍し、一部は現役や動態保存で活躍中の国鉄およびJR車両で、いずれも日本の鉄道史に大きな足跡を残した名車たちです。

 機関車のほか電車やディーゼルカーの先頭車を含む幅広い展開で、隔週刊の刊行で2年あまりをかけて全80号が予定されています。今年(2022年)の9月27日から順次刊行されており、既に5号までが発売済です。

 発刊時に第15号までの発売スケジュールと、第6号までの製品ビジュアルが発表されていました。そうしたなか今回は、年末年始にかけて発売予定の第7号から第9号を中心に、デアゴスティーニ・ジャパンから新たに届いた製品ビジュアルとともに見ていきましょう。

第7号「113系 クハ111形 2100番台 東海道線」

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第7号の113系 クハ111形 2100番台 東海道線。2022年12月20日発売。

 113系は1963(昭和38)年から1982(昭和57)年にかけて3000両近くが製造された、国鉄を代表する近郊型電車です。東海道・山陽本線を中心に、本州や四国の平坦区間で活躍しました。JR西日本では、一部がリニューアル改造を受けていまなお現役です。模型のプロトタイプは「シートピッチ改良型」と呼ばれる1978(昭和53)年以降製造の2000番台で、東海道線東京口の東京方先頭車を再現しています。

第8号「583系 クハネ583形 特急『はつかり』」

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第8号の583系 クハネ583形 特急「はつかり」。2023年1月4日発売。

 583系は1968(昭和43)年に登場した交直流特急型電車で、高度経済成長期に急増した旅客需要に対応すべく、昼間は座席特急、夜間は寝台特急として使用可能な設備を持つユニークな車両。青とクリームに塗り分けられた大柄で流麗なスタイルは、2022年現在でも高い人気を誇ります。製品では上野〜青森間の昼行特急「はつかり」とされていますが、同区間の寝台特急「はくつる」や「ゆうづる」(常磐線経由)としても活躍しました。

第9号「C62形 蒸気機関車 C62 2」

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第9号のC62形 蒸気機関車 C62 2。2023年1月17日発売。

 C62形は1948(昭和23)年から1949(昭和24)年に49両が製造された、国鉄最大の旅客用蒸気機関車です。なかでも2号機は東海道本線の特急「つばめ」牽引時につばめマークが装着され、晩年は北海道に転じて急行「ニセコ」の先頭に立ち、昭和40年代に巻き起こったSLブームの象徴的存在としてその名を轟かせました。現在は京都鉄道博物館に動態保存されており、同構内で「SLスチーム号」として走行する姿を見ることができます。

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第10号から第12号の「500系 新幹線『のぞみ』」(写真上)、「キハ58系 気動車『能登路』」(同左下)、「24系 寝台車『北斗星』」(同右下)。
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第13号から第15号の「103系 通勤形電車 山手線」(写真上)、「EF58形 電気機関車」(同左下)、「C57形 蒸気機関車」(同右下)。

1/87 HO統一スケールとダイキャストボディの魅力

 ここからは『鉄道車両 金属モデルコレクション』の魅力や特長について掘り下げてみましょう。

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別売りの特製マガジンケース。単品と3個セットがあり、2023年3月末まで特別価格で販売される。

 なによりも、1/87、HOの統一スケールであることが挙げられます。鉄道模型のスケールで「HO」という言葉をよく耳にしますが、これは厳密にいうと、世界的に主流である線路幅(ゲージ)1435mm(標準軌)の車両を1/87、16.5mmゲージに縮小したものを指します。

 ところが日本型の在来線車両の模型では、歴史的な経緯から少し大きめの1/80、16.5mmゲージが主流となっています。実際の在来線や多くの私鉄では1067mmの狭軌を採用していて、これを1/80にすると約13.3mmです。つまり1/80サイズの車両模型は、そのサイズ帯における主流の線路幅である16.5mmにあわせ、実物よりも左右の車輪のあいだが少々広い「がに股」になっているのです。また標準軌である新幹線の車両模型は国際スケールの1/87であり、そのサイズ帯の在来線の模型よりもひと回り小さく作られています。

 その点、同じ線路を走行させるという制約のない『鉄道車両 金属モデルコレクション』は、ディスプレイモデルならではの強みですべて1/87スケールに統一され、ゲージも在来線は12mm、新幹線は16.5mmとスケールどおりに再現しており、よって同じ1/87スケールの外国型車両製品とも違和感なく並べて楽しむことができます。

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創刊号から第15号までの購読でもらえる特製ヘッドマークマグ3点セット。応募締切りは2023年6月30日。
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第8号から第66号の購読料にプラス250円(税込)するともらえる、3両まで収納可能な特製ディスプレイステージ。雛壇式で背面は鏡面仕上げとなっている。

 繰り返しになりますが、ダイキャスト製ボディの鉄道模型は独特の重厚な質感や手に持ったときの重量感、そして壊れにくい堅牢さといった多くの魅力から、世界中に根強いファンを持ちます。金属製の鉄道模型としては、真ちゅうや洋白(銅、亜鉛、ニッケルの合金)をハンダ付けで組み立てたものが主流ですが、100年以上の歴史を誇るドイツのメルクリンからもダイキャスト製ボディの製品が多く発売されています。

 価格は6980円(創刊号のみ特別価格2990円。いずれも税込)と、この手のコレクションアイテムとしては少々、高めですが、1/80のプラスチック製完成品でもモーター無しで1両1万円前後であることを考えれば、むしろリーズナブルな価格設定といえるでしょう。

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Webサイトからの定期購読申し込み限定でプレゼントされる特製ロゴスタンド

 なお、Webサイトからの定期購読申し込み限定でプレゼントされる特製ロゴスタンドの締切りが、当初の2022年11月28日受付から12月19日まで延長されたとのこと。詳しくは公式サイトを参照してください。

» デアゴスティーニ『鉄道車両 金属モデルコレクション』公式サイトはこちら

【了】

『鉄道車両 金属モデルコレクション』を写真でチェック

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Writer: 鈴木重幸(鉄道ライター・編集者)

出版・印刷関係のさまざまな仕事を経て、現在は鉄道模型雑誌『RM MODELS』を中心に活動。鉄道以外の趣味はビートルズをはじめとする1960年代から1970年代の英国ロック、ウルトラシリーズなどの特撮、路上観察などなど。

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