〈PR〉「東京の世界遺産」小笠原諸島への旅が変化 新船登場、行きやすくなった「ボニンブルー」の海

「世界自然遺産」の小笠原諸島。旅や海、アウトドアが好きなら一度は行ってみたいと思う人、多いことでしょう。ですがそう「かんたん」に行ける場所ではなく、あきらめていた人も多いかもしれません。しかし2016年夏、その状況が変化しました。速さ、快適性に優れた新型船の登場で、日本各地から小笠原が近くなっています。

立役者は「3代目」 「ハードル」が下がった小笠原諸島

 2016年夏、小笠原諸島への旅が変わりました。

「東京都」ではあるものの、その中心部から南南東へ約1000kmも離れた小笠原諸島。2011年には、その豊かで独特の自然が持つ価値が認められ、ユネスコの世界自然遺産に登録されました。「ボニンブルー」と呼ばれる美しい青い海に浮かぶ、はるか南海の島。旅や海、アウトドアが好きな人なら、一度は行ってみたい場所でしょう。ちなみに「ボニン」は、かつて小笠原諸島が「無人(ぶにん)島」と呼ばれていたことにちなみます。

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小笠原諸島・父島の小港海岸。「東京都の風景」だ(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 ただ現実的に、小笠原諸島を旅先に選ぶのは「かんたん」とはいいづらい状況です。東京都心から直線距離で1000kmというのは、鹿児島市までと同程度。羽田空港から飛行機に乗れば、鹿児島空港まで1時間45分ほどです。

 しかし、小笠原諸島には空港がありません。竹芝客船ターミナル(東京都港区)から、小笠原海運の貨客船「おがさわら丸」に乗るのが事実上、そこへ向かう唯一の手段で、所要時間は片道25時間30分。たとえば竹芝を午前10時に出航すると、小笠原諸島の父島到着は翌日の午前11時30分です。そしてこの日、14時発の便でとんぼ返りして、竹芝へ戻るのは3日目の15時30分。つまり、2泊3日で2時間半しか小笠原に滞在できないのです。

 そのため小笠原諸島に興味を持っていても、「行くのは難しいかな」と思っている人は少なくないと思います。しかし、それらは2016年6月までの話。先述の通りこの夏、「小笠原諸島への旅」が変化して“ハードル”が下がり、行きやすくなっています。

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2016年7月に就航した新「おがさわら丸」。総トン数は1万1000トンで、6700トンだった2代目より大型化された(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 その“立役者”は、2016年7月に登場した新型の「おがさわら丸」です。

 1979(昭和54)年就役の“初代”から数えて“3代目”になる、新「おがさわら丸」。最新技術が導入されたこの船の登場により、「小笠原諸島への旅」にいくつもの変化が起きています。

 いったい何がどうなったのか、実際に新「おがさわら丸」へ乗ってその変化を、そして新しい船と小笠原の魅力を体感してきました。

小さいようで大きい「1.5時間」 全国から近くなった小笠原諸島

 新「おがさわら丸」で変わったこととしてまず挙げられるのは、「スピードアップ」です。従来の2代目「おがさわら丸」は航海速力が22.5ノット、約41.7km/hでしたが、それが3代目では23.8ノット、約44.1km/hに上昇しています。

 わずかな差に思えるかもしれませんが、竹芝~父島間は長距離です。そうした速力向上などで、所要時間が従来の25時間30分から24時間へ、1時間半も短縮されています。

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23ノット、43km/hで航行する新「おがさわら丸」。船内に現在地や速力を表示するモニターがある(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 そしてこれにより、「所要時間」も変わりました。父島行きは竹芝発午前10時から11時に、竹芝行きは父島発14時から15時30分へ出航時刻が遅くなっています。これもまた1時間程度の違いで、たいしたことがないように思うかもしれません。しかし、意外とそれが大きいのです。

 竹芝発10時では、手続きなどがあるため実際のところ、遅くとも9時30分までにそこへ到着せねばなりません。朝イチで出発し、新幹線や飛行機を駆使すれば盛岡市や岡山市ぐらいまでなら間に合いますが、それより遠くなると、前泊が必要な場合がでてきます。

 しかしそれが11時になったことで、札幌市や福岡市、そして鹿児島市からでも前泊無しで「おがさわら丸」に乗れるようになったのです。ただでさえ日数を要する小笠原諸島の旅ですから、「前泊不要」は大きな意味があります。「日本各地と小笠原諸島の時間的な距離」が変わり、特に東京から遠い場所からは、確実に「ボニンブルー」が近づきました。

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山手線の浜松町駅から徒歩7分程度の場所にある竹芝客船ターミナル(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 メリットは、東京から遠い場所ばかりではありません。9時30分までに竹芝到着では、朝ラッシュ時と重なります。しかし今回、出航が1時間遅くなったことでラッシュのピークを避けられるようになりました。荷物が多いだろう小笠原諸島への旅行、「ラッシュを避けられる」のはうれしいところです。

「1時間半遅くなった父島出航」も、重要な変化です。はるばる訪れた小笠原、そこでの滞在時間が延びることの価値、いうまでもないでしょう。

身体的、そして精神的にもより疲れなくなった新「おがさわら丸」

「快適性の向上」も、長い船旅なだけに注目したい変化です。新しい「おがさわら丸」は「プライベート空間」が重視され、個室や寝台が増加。身体的にも精神的にも、より疲労なく旅を楽しめるようになりました。以下、安価な順に解説します。

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「2等和室」にはレディースルーム、ファミリールームも用意される(2016年6月、恵 知仁撮影)。

「2等和室(エコノミー)」は、カーペット敷きの広間へ横になる、安いぶんプライバシーが少ない設備ですが、頭がくる部分へ新たに仕切り板を設置。もっとも安価ながら、「プライベート空間」が意識されています。全286床それぞれに枕とマットレス、荷物置場があり、運賃・料金は2万3210円です。

※運賃・料金はすべて竹芝~父島間の片道、7月と8月以外、大人1人あたりのもの。燃料油価格変動調整金が加算、減算される場合あり。

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「2等寝台」はコンセント付きで、レディースルームも用意される。はしごでなく階段のため、使いやすい(2016年6月、恵 知仁撮影)。

「2等寝台(エコノミーベッド)」は、この新「おがさわら丸」から登場した注目の設備です。全260床の2段ベッドが並び、カーテンを使うことでプライベート空間を確保可能。運賃・料金は2万6450円と「2等和室」のプラス15%程度に抑えつつ、「快適さ」と「価格」を両立しています。

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「特2等寝台」はコンセント、テレビ付きで、レディースルームも用意される(2016年6月、恵 知仁撮影)。

「特2等寝台(プレミアムベッド)」は、基本的に2段ベッドが並ぶものですが、下段同士、上段同士が向かい合う形に設置され、カーテンを閉めれば簡易的な2人用個室として使えるのがポイント。全178床で、運賃・料金は3万5100円です。

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「1等室」はコンセント、テレビ付きの完全個室。部屋には窓もある(2016年6月、恵 知仁撮影)。

「1等室(スタンダード)」は、定員2名(39部屋)の“完全個室”です。従来、このような個室でも相部屋になることがありましたが、新「おがさわら丸」では原則としてなし。別に個室貸切料金が必要ながら、1人で使うこともできます(「特1等室」「特等室」も同様)。運賃・料金は1室2名利用の場合、4万8600円です。

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「特1等室」は19.1平方メートルと定員2名の「1等室」より約2倍広く、設備が充実。3人でも使える(2016年6月、恵 知仁撮影)。

「特1等室(デラックス)」は定員3名であることと、各部屋にバス、トイレ、冷蔵庫を備える充実の設備が特徴。もちろん、窓もあります。全24部屋で、運賃・料金は1室3名利用の場合、5万7670円です。

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「特等室」は幅180cmのキングサイズベッドやバス、トイレを備え、専用のデッキやラウンジも使うことができる(2016年6月、恵 知仁撮影)。

「特等室(スイート)」――最上級の部屋は定員2名で全4部屋。キングサイズベッドが設置され、バス、トイレ、テレビ、冷蔵庫はもちろんのこと、「特等室」利用者専用のラウンジも用意されており、マッサージチェアやドリンクサーバー、水素水給水器を無料で使うことができます。外に出てのんびり海を眺められる「特等室」利用者専用のデッキもあり、運賃・料金は1室2名利用の場合、6万9170円です。

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「特等室」の利用者だけが使えるラウンジ(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 このように、「プライベート空間」を意識したさまざまな設備が用意された新「おがさわら丸」ですが、数字で見るとさらにそれが分かります。

 従来の2代目「おがさわら丸」は旅客定員769名で、そのうち543名分がもっとも安い、広間の「2等和室」でした。

 しかし新「おがさわら丸」は旅客定員894名のうち、「2等和室」は286名分だけ。それを除いたおよそ3分の2が、他者の目を遮ることができる設備、部屋なのです。特に、「安さ」と「プライバシー」を両立した「2等寝台」の新登場など、「安い船旅」といえば「ただの広間に雑魚寝」といったイメージがあるかもしれませんが、新「おがさわら丸」にはあてはまりません。

小腹がすいても安心 充実した共用部分

 快適性は、共用部分についても向上しています。丸1日の船旅、まず気になるのは「食事」でしょう。

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窓から外が見られる席もある新「おがさわら丸」の「レストラン Chichi-jima」(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 新「おがさわら丸」では、約130席の「レストラン Chichi-jima」で朝昼晩、さまざまなメニューが提供されるほか、軽喫茶の営業が行われる眺望に優れた約70席の「展望ラウンジ Haha-jima」、カップラーメンや冷凍食品などの自動販売機、売店もあるため、急に空腹になった場合でも心配は無用です。ちなみに、レストランや売店では「Suica」などの交通系電子マネーも利用可能。ただ、船内でチャージはできません。

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新「おがさわら丸」の共用シャワールーム。ボディーソープなども備えられている(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 このほか、船内の共用設備で気になるのは「入浴」でしょうか。部屋にその設備があるのは「特1等室」以上のみですが、男女別「シャワールーム」を自由に使うことができます。

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新「おがさわら丸」の「キッズルーム」。柔らかい素材が使われており、船が揺れても大丈夫(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 新「おがさわら丸」ではそれら以外にも「キッズルーム」「ペット室」「バリアフリー」の充実、「冷蔵ロッカー」(有料)の設置などを実施。客室のみならず、共用部分の快適性向上にも力が入れられているのが特徴です。

キミは「ウミガメ」を食べたことがあるか? チャレンジの結果

「世界遺産・小笠原諸島」への旅では人それぞれ、さまざまな「良さ」を発見し、思い出を作ることでしょう。ただそこで、多くの人が「強く印象に残ったこと」として挙げるものがあるそうです。2016年6月末、この新「おがさわら丸」に乗船して小笠原諸島へ向かった私(恵 知仁:乗りものライター)もそうでした。

 ビルが林立する都心を出航したのち、360度、ほぼ水平線だけの“ひと気のない世界”が長時間続いたあと、はるばるたどり着いた「世界自然遺産」の小さな南の島。そこでまず印象深かったのは「人」です。父島の二見港に待っていたのは、船を出迎えるたくさんの笑顔。それまで“外界と隔絶”されていたせいもあるのでしょうか、強く心に残っています。またその笑顔、日焼けしている人の割合がとても高かったことにも、旅情が強く刺激されました。

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父島・二見港への新「おがさわら丸」到着を出迎える小笠原の人々(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 またこのときは、新「おがさわら丸」が乗客とともに父島へ向かった初航海であったため、“特別なイベント”も。

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3代目の船上から望む、父島出航直後の2代目(左奥)。このときが2代目と3代目、“最初で最後のすれ違い”だった(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 父島にまもなく到着するという、そのときです。小笠原から竹芝へ“最後の航海”に出発した直後の2代目「おがさわら丸」と並走し、名残を惜しむ何隻もの小型船が登場。そして2代目が、すれ違った3代目にあとを託して北へ向かうとUターン。こんどは新「おがさわら丸」に並走し、その到着を歓迎する小型船たち。「ボニンブルー」の海の上、みな日焼けした笑顔でこちらへ手を振り、なかには水中へ飛び込む人もいました。

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新「おがさわら丸」に並走し、その父島到着を歓迎するいくつもの小型船(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 こうした出迎えはいつもあるわけではないそうですが、小笠原は「自然の良さ」はもちろん、「人の良さ」も印象的だったのを、いま本土に戻って改めて思い出します。

 また小笠原では、初めて食べた“あるもの”も忘れられません。「ウミガメの刺身」です。あえていうなら、馬刺しに近いでしょうか。やや固めながら特段のクセもなく、赤身肉のうま味が感じられました。

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小笠原諸島ではウミガメが食用され、刺身(手前)のほか、すし、煮込みなどにする(2016年6月、恵 知仁撮影)。

 スーパーも印象的でした。本土とは品ぞろえや価格が大きく違い、「離島の生活」を少しですが、垣間見ることができたように思います。冷凍された「ウミガメの卵」なんてものもありました。

 今年、2016年4月にインターネットでの乗船券予約、購入が可能になり、7月には新「おがさわら丸」が就航してスピードアップなどを実現。それらの変化によって、小笠原諸島への旅は“ハードル”が下がりました。しかし、観光を含めると短くても5泊6日程度の旅になってしまうため、やはりまだ、それを「かんたん」とはいえないのが事実でしょう。

 しかし「小笠原諸島へ一度は行ってみたい」と思うなら、新しい船が登場したばかりのいま、“狙い目”です。

・小笠原海運(「おがさわら丸」の運航会社)
http://www.ogasawarakaiun.co.jp/

【了】

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