東海汽船3代目「さるびあ丸」進水 伊豆諸島そして小笠原へも行ける高性能船とは〈PR〉
東海汽船の貨客船3代目「さるびあ丸」が進水。「タンデム・ハイブリッド推進方式」を採用し、より安定した着岸を可能にした新造船で、定期便として就航する伊豆諸島だけでなく、遠く離れた小笠原諸島の生活も変えるかもしれません。
シャンパンを船にぶつけて門出を祝う
建造が進む東海汽船の新造船「さるびあ丸」。その命名・進水式が2019年11月27日(水)、山口県下関市の三菱重工業 下関造船所で行われました。
この「さるびあ丸」は3代目で、1992(平成4)年に就航した2代目「さるびあ丸」の代替船です。全長およそ118m、幅およそ17m、船の大きさの目安となる総トン数は、従来船から約1200tアップのおよそ6200tになります。2020年6月末ごろに就航し、主に東京~大島~神津島航路および夏季のクルーズ船「東京湾納涼船」で運航される予定です。
式典が始まると、その開始時には三菱造船の「貨客船第1216番船」と案内されていた新造船に対し、東海汽船の山崎潤一(「崎」は正しくは異体字)社長が「さるびあ丸」と命名。船首近くに掛けられていた幕が引かれ、「さるびあ丸」の文字が明らかにされました。
そののち、「支綱(しこう)切断」と呼ばれる儀式が行われます。船からピンと張られた「支綱」と呼ばれる1本のロープにシャンパンボトルをつなぎ、この支綱を斧で断ち切るというものです。
4代目東海汽船マスコットガールの小池夏海さんが支綱を切断すると、ボトルが船体に勢いよくぶつかって割れ、それを合図に船体が船台を滑り出し、水しぶきを上げて進水。花火も打ち上げられるなど、船の門出が盛大に祝われました。
とはいえ船はまだ、出航できる状態ではありません。タグボートで岸壁へと曳航されたのち、完成に向け最終段階の工事が行われます。
伊豆諸島、そして小笠原の課題を解決する3代目「さるびあ丸」の性能
この3代目「さるびあ丸」が持つ特徴のひとつとして、三菱造船 執行役員の竹田祐幸さんは「タンデム・ハイブリッド推進方式」を挙げます。
重油を燃料とするディーゼル機関が動力のプロペラと、「アジマス推進器」と呼ばれる、軸が360度水平に移動する電動式のプロペラをあわせ持つ方式です。アジマス推進器が推進と舵の双方を補助することで、省エネ性と高い旋回性能を実現。より安定した離着岸が可能になるといいます。
伊豆諸島では、天候や波の状況により船の着岸が困難な場合もあり、就航率の向上が課題となっていました。この「タンデム・ハイブリッド推進方式」はすでに、2014(平成26)年に就航した東海汽船の3代目「橘丸」にも採用されており、その船が使われる東京~八丈島航路は、就航率が従来と比べて5%から10%向上したとのデータもあります。
また、今回の3代目「さるびあ丸」建造にあたっては、伊豆諸島の町村だけでなく、東京都小笠原村も支援しています。というのも、この船は東京港から1000km離れた小笠原諸島まで航行する能力を持っているのです。
現在、小笠原海運の東京~父島航路に就航している貨客船「おがさわら丸」は例年、1月から2月にかけて検査のためドック入りしますが、その際にこの3代目「さるびあ丸」が、小笠原海運へ貸し出され、代わりに同航路へ就航する予定です。これにより、「おがさわら丸」が運航されない約1か月間、本土と小笠原を結ぶ交通手段が絶たれるという状態が解消されます。
なお船体デザインは、2020年「東京オリンピック・パラリンピック」のエンブレムを手掛けた美術家の野老朝雄(ところあさお)さんが担当。白を基調に、側面には波しぶきをイメージしたという藍色の幾何学模様が施されています。
東海汽船の山崎社長は「いままでにない、見入ってしまうようなスタイリッシュな船です。これを機に、ひとりでも多くの方に東京諸島へお越しいただければ」と話します。
同船の就航が計画されている2020年6月の同時期、東海汽船には新造ジェット船「セブンアイランド結(ゆい)」もデビューする予定。船らしいゆとりある旅を楽しめる3代目「さるびあ丸」と、大島まで東京から最短1時間45分の速さが魅力のジェット船という個性豊かな船たちが、東京諸島への旅をいざないます。
●東海汽船「TOKAIKISEN NEWSHIP2020」公式ページ
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