本物の新幹線メーカーが模型を発売 懐かしのチャイムも

記憶を呼び起こすあの装置を搭載

 そして特に注目なのは「音」です。「プワーン」という警笛に加え、車内チャイムの再生機能を搭載。しかも4種類も再生できるのです。

 ひとつは「汽笛一声新橋を」で知られる「鉄道唱歌」のチャイムです。国鉄時代の在来線電車特急でもよく使われていたもので、東海道新幹線も開業当初はこの「鉄道唱歌」をチャイムにしていました。

 しかし「鉄道唱歌」は明治時代に作られたもので、「200km/hで走る最新の新幹線に合わない」などという意見が集まりました。

 そこで東京オリンピックの開会式で音楽を担当した作曲家の黛敏郎氏に、「新幹線のスピード感と近代性」をイメージしたチャイムの製作を依頼。これが2代目の車内チャイムに採用されます。

 しかしそうした注文だったせいか、今度は前衛的で難解だという意見が集まります。そこで登場するのが、「ドミソド」のチャイムです。これはシンプルで分かりやすいのがチャイムとして良かったのでしょうか。長期間にわたって使用されました。

 搭載している車内チャイムにはもうひとつ、JR発足後の1988(昭和63)年頃に追加されたものもあります。

 これら車内チャイムは、模型を販売する日本車両製造のサイトで視聴することができます。メロディを聴くと時代が甦ってきますね。

「スーパーディスプレーモデル0系新幹線電車」
http://www.n-sharyo.co.jp/yumekobo/topics/newitem.html

 さて最後にもうひとつ、スゴイものがあります。価格です。1/45スケールで全長553mm、全幅75mm、高さ88mm、重量2.2kgの模型1両+台座等で、151,200円です。実物の車両メーカーが関わっているだけある作り込みを考えると、高くはないと思います。買えるかどうかは別として。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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