「ステルス機っぽくない見た目のステルス機」増加なぜ? 「明らか普通の主翼の形」に隠された意図とは
敵に見つかりにくいステルス・ジェット機における外形上のトレードマークともいえた「デルタ翼」を思わせるスタイル。これが近年変わりつつあります。なぜなのでしょうか。
「よく見るジェット軍用機」なのにステルス?
世界初の実用ステルス機とされる米空軍のF-117攻撃機はデルタ翼に類似した主翼に、V字型の垂直尾翼を装備していました。さらに時代が進み、技術が発展すると、垂直尾翼のない全翼機であるB-2ステルス爆撃機も現れます。

一方、無人機に目を移すと、かつて米国では実験機X-47がつくられたほか、仏ダッソーのUCAV(戦闘用無人機)試作機「nEUROn(ニューロン)」、ロシアの最新鋭ステルス無人機「オホートニク」は垂直尾翼を持たない全翼機です。
しかし、近年はステルス性能を持つ無人機にも、胴体と主翼がはっきりと分かれて垂直尾翼を持つ機体が現れています。
米国で2025年5月に共同交戦航空機(Collaborative Combat Aircraft:CCA)として発表されたゼネラル・アトミクス社(GA-ASI)のYFQ-42Aとアンドゥリル社のYFQ-44A両無人戦闘機は、ステルス性確保を意識した外形ではあるものの、胴体と主翼の区別がつき、YFQ-44Aにいたっては垂直尾翼が1枚のみという、よく見られるジェット軍用機そのものの姿をしています。
このほかにも米国のクラトスXQ-58ヴァルキリーやボーイングMQ-28といった無人機も、胴体と垂直尾翼が分かれた、ほぼ以前から見るジェット機の姿です。
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