〈PR〉「A列車で行こう9」に初心者が挑戦 資材不足で街ができない?
「A列車で行こう9」最新版に「乗りものニュース」編集部が挑む連載企画。第4回目は、街の建設に取り掛かりましたが、初心者ならではの壁にぶつかる羽目に。しかしそこで新たな面白さが発見できました。
街ができない? 初心者がぶつかった壁
「乗りものニュース」編集部員の私(末吉史樹)は、鉄道好きではありますが、「A列車で行こう」シリーズについては全くの初心者。それでも前回「A列車で行こう9 Version 4.0 MASTERS EDITION」にチャレンジして、ゲームの操作が分かりやすいこともあって、自分だけで駅や線路を建設することができました。
なにより、自分で理想の鉄道を造れる圧倒的な面白さや、できあがった景色を美しいグラフィックで楽しめるという点が、モチベーションを高めてくれます。
前回造った日豊本線の中津駅。私のふるさとにある想い出の路線と駅ですが、実物と比べて、まだ周囲に何もなくて寂しいです。さっそく建物を置いていきましょう。
豊富にある建物リストから、実際の風景に近いものを選択し、設置してみます。すると、なぜか置けません……。
画面に工事現場の人みたいなキャラクターが出てきて、「建設用資材不足のため建設ができません」と言っています。
必要な手間と労力、しかしそこにハマる
ここで、さすがに自力はあきらめ、マニュアルと格闘。するとありました、「資材を供給する方法」。建物を造るには、まず資材工場を設置して資材を生産し、そこから建物を造りたい場所まで資材を運んでくる必要がある、といいます。
ゲームだからと簡単に建物を造れるようにせず、あえて実際の世界と同様の労力や手間を必要とする「A列車で行こう9 Version 4.0 MASTERS EDITION」。「A列車で行こう」シリーズの長年のファンであれば常識なのかもしれませんが、初心者の私はそのリアルなこだわりの深さに驚きました。
資材工場を設置して、待つことしばし。突然、工場の横にあるスペースに「ポン」とコンテナ状の資材が現れました。あとは貨物列車を購入し、中津駅まで資材を輸送します。貨物列車リストから、九州にふさわしく、DD51形ディーゼル機関車がけん引するものをチョイス。
そして工場の隣に、資材を列車に積み込むための操車場を設置。操車場は駅リストのなかにあります。
貨物列車が操車場に到着すると資材は自動的に積み込まれますが、そこで鉄道貨物コンテナのような色に変わるのが、鉄道ファンにはニクい演出です。
資材なしでは何も始まらない
さて、資材を中津駅まで運び、資材置き場に降ろしますが、ここでもルールがあることに気付きました。まず、駅から資材を降ろせる範囲が決まっているのです。その範囲は、資材置き場を設置しようとすると、駅の周囲に緑色の円で示されます。
それとルールがもうひとつ、資材置き場の資材を使って建物を造れる範囲も決まっています。そのため、資材置き場はなるべく建設予定地の近くにしたほうが良いようです。ただし、資材置き場があるとそこには建物が建てられませんし、いったん設置した資材置き場の撤去にはお金がかかるので、事前によく考える必要があります。私は試行錯誤し過ぎて、駅前が撤去跡だらけになってしまいました。
この撤去跡ですが、時間が経過すると徐々に元の草地へと還っていきます。「A列車で行こう9 Version 4.0 MASTERS EDITION」は時間経過も重要な要素で、それを細かいところまで妥協なく表現しようとする制作陣の姿勢には脱帽です。
ようやく資材置き場の場所を決定し、貨物列車での資材搬入をスタート。資材のコンテナで置き場がいっぱいになったところで、オフィスビルのリストから「三角建物1」を選択して設置します。すると、建設に使われた分だけ資材が減るのが分かりました。こういう視覚的なアクションがあると臨場感や現実味が増して、自分が造った建物に価値や愛着を感じてしまいます。
また、しばらく貨物列車が資材工場と中津駅との間を往復するのを見ていると、あることに気が付きました。資材置き場が満杯だと、列車が荷物を降ろさずにそのまま行ってしまうのです。これは大きなムダとなって経営に響きます。何とかしないといけません。
資材の運搬手段は、貨物列車のほかに各種のトラックも用意されています。これにより、線路を敷かない場所にも道路で資材を運ぶことができるのです。
トラックは実際に使ってみると、鉄道に比べて輸送量が小さく、街づくり最初の段階では、運行ルートなどの設定にかかる手間に比べると、効果が少ない気がしました。これもやり方次第なのかもしれませんが、いずれ街をある程度の規模まで発展させられたときに、改めて活用法を考えてみたいと思います。
ここから先は正直なところ、初心者には一筋縄ではいかない気がしています。しかし鉄道趣味はもともと、ちょっとした“敷居の高さ”を逆に楽しむところが醍醐味。「A列車で行こう9 Version 4.0 MASTERS EDITION」は、プレイすればするほど新たな問題や課題が続出するので、私は飽きるどころか夢中になる一方です。
とはいえ、計画性もなく好みやイメージだけで街づくりを進めても、このゲームの本当の面白さは味わえないのでは、ということも感じてきました。そこで次回は、少し経営的な視点でチャレンジしていきたいと思います。
【了】
Writer: 末吉史樹
小学校の校庭横をブルートレインが走り、上空をF4「ファントム」が飛ぶ環境で育つ。旅とグルメを愛し、各地の温泉やおいしい食べ物には目がない。