明治の汽笛再び! 豊洲に安住した流浪の機関車の正体 136年目で“歴史的な石の台座”に鎮座 読み込み中... 拡大画像 1886年に英国ナスミス・ウィルソン社で製造された(画像:西武鉄道)。 拡大画像 403号機関車除幕式の模様。芝浦工業大学附属中学高等学校が創立100周年を迎えたことで、豊洲の地に明治期の蒸気機関車が保存されることとなった(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 403号機関車の特徴であるジョイ式弁装置。先輪部分の弁装置がそれで、機構が簡便なタイプとなっている。ランボード上(先輪の上部分)の逆転機カバーが外れているのは何十年も前からで、おそらくメンテナンスの際に不便であったから外したのではないかとのこと(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 先輪と従輪はウェッブ式ラジアル軸箱によって支持されている。軸箱は円弧上に動き、バネによって中心へ押される機構。急曲線の通過が容易になり、機関車の動揺が抑制されるメリットがある。この機構は真下からでないと分からないが、写真の黒い鉄板で覆われている部分が該当箇所である(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 403号はD51形蒸気機関車の約半分の大きさ。その愛らしい姿が豊洲の地に馴染むのではないか。新たなランドマークとなり、観光遺産となれば幸いと佐藤校長(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 403号はゆりかもめに向かうようにして保存されている。時折、高架橋をゆりかもめの列車が通過し、明治と現代の鉄道車両が出会う瞬間がある(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 機関室の内部は日時限定で見学できる。各操作部品はアクリルカバーで保護されている。写真下部分が火室。メーター類は圧力計のみという超シンプルさだ(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 機関室の両サイドはタンク式機関車らしく水タンクが迫り出している。ご覧のように狭い空間のため、見学撮影の際は広角か超広角レンズが必携である(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 外観はいつでも見学できるが、機関室の見学時間は限られており、月〜土曜日の9時〜17時に公開される。日・祝ならびに休校時は見学できない。また汽笛音は毎日12時と17時に奏でられる(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 403号のバックビュー。リベット打ちが美しい。後方に小さな炭水庫があり、サイドの水タンクが一体となったキャブ(機関室)構造。この機関車のフォルムは当時の典型的な姿を表しているといえよう。キャブ屋根部の雨樋構造にも注目(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 403号機の左サイドビューと手前に高輪築堤の築石。403号の写真はいわゆる公式側と呼ばれる左側を捉えたものが多く、こちら側の姿がしっくりくるかもしれない。築石は高輪築堤の海側に使用されたもので、石は安山岩である(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 機関車と同じ時代という縁で、港区およびJR東日本より高輪築堤の築石が寄贈された(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 機関車と同じ時代という縁で、港区およびJR東日本より高輪築堤の築石が寄贈された(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 明治初期の蒸気機関車とタワーマンション。この対比が豊洲の新たなスポットとなる。これから地域の人々や学校関係者に愛されていくことだろう(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 403号の動輪付近を観察する佐藤校長(奥)(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 除幕式にあたり403号の設置趣旨を説明する佐藤校長。「西武鉄道の横瀬車両管理所から移動・設置された2022年9月19日の深夜は、巨大クレーンで吊り上げられた機関車の姿が夜空に舞うようで圧巻であった」と感慨深く語る(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 佐藤校長に次いで江東区の山崎区長が「豊洲は造船、鉄鋼、ガス、電力と日本の経済を支えてきた場所。保存場所目の前一帯も、かつては石炭埠頭があって石炭貨物列車が走っていた。その地に機関車が設置されたことは区としても嬉しい」と挨拶(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 除幕式の模様。芝浦工業大学の鈴見理事長(右)より感謝状を贈呈される西武鉄道株式会社の喜多村社長(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 「我々が保管していた時よりも見違えるように綺麗にしていただいた」と、西武鉄道の喜多村社長(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 隣接する豊洲6丁目第二公園にて太鼓演奏を披露する「洲崎東陽太鼓」。太鼓ドラムロールの後、403号の除幕が行われた。煙室扉が現れた直後に汽笛吹鳴。明治初期の汽笛が轟いた(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 除幕式は参列者による出発進行の掛け声で閉式となった。報道公開の後に一般公開となり、すでに機関室見学の列が出来上がっていた(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 403号は高輪築堤の築石上に展示された。足回りは先輪+動輪2+従輪の1B1(英国式では2-4-2)。車輪部が赤塗装を施されているのは、鉄道院時代の当時を再現したという。日中は逆光の光線となる(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 ナンバープレートとともに復元された製造銘板は、製造当時の写真を元に文字配列も忠実に再現された。No302はナスミス・ウィルソン社の製造番号である。マンチェスターで製造された(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 拡大画像 除幕式の参列者。左から4番目が佐藤元哉校長(2022年11月12日、吉永陽一撮影)。 テーマ特集「【鉄道特集】往年の名車、活躍中のエース どんな車両? 国鉄時代の思い出も」へ この画像の記事を読む