軍艦マーチ?うちの艦はカープの歌で! 護衛艦“初代艦長”の強~い権限とは
横浜開港祭の開催に合わせて一般公開された護衛艦「あぶくま」に、海上自衛隊大好き漫画家が突撃取材してきました。呉を母港にするがゆえの話などに興味津々でした。
士官室のテーブルで見つけたナルホド装備
2023年6月2日の横浜開港祭において開催された護衛艦「あぶくま」の一般公開レポート。いろいろ見せてもらった内容を第1回、第2回、第3回と紹介してきましたが、最終回となる今回は、乗員の皆さんから伺った貴重なハナシを紹介します。
ひととおり艦内を見せてもらった筆者(たいらさおり:漫画家/デザイナー)たちは最後に士官室へ通され、第12護衛隊司令の能勢1佐、「あぶくま」艦長の大木2佐、副長の柗村1尉らとちょっとした懇談の時間を設けてもらいました。
まず気になるのは「あぶくま」ならではのハナシ。「あぶくま」は乗員100名あまりと、ほかの護衛艦よりも人数が少ないので、艦長いわく人員を把握しやすいんだとか。実際、乗員もお互い目配り気配りができるので、家族的な安心感があるんじゃないかと感じました。
ちなみに「あぶくま」には女性隊員はいません。理由としては、女性用区画を確保できないから。水回りを分けるだけでも大変ですもんね。最近は女性の艦艇乗組員も増えてきましたが、新しい艦は設計の段階で女性用区画を考慮しているものも多いので、古い艦については当時のまま男性のみで運用しているようです。
なお、あぶくま型の後継である最新のもがみ型では、コンパクトさはそのままに女性用区画も確保されており、互いが快適に過ごせるよう配慮されています。
ところで筆者は、インタビュー中も艦がゆっくり揺れているのを感じていました。この日は台風だったので、岸壁に停泊していても風で揺れるのです。特に「あぶくま」は小型艦なので、岸壁はもとより、航海中の揺れも大きいそう。
ちなみに、波で動揺している際に食事をすると、お盆がひっくり返るほど傾くので、士官室をはじめとしたテーブルには、乗せたものが落ちないようにガードが取り付けられているんです。そんな細かなところにも、航海中の不便を乗り切る工夫を垣間見ることができました。
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