いま乗り物撮影に最適なカメラは? 「CP+2024」から「キヤノン」「ニコン」「OM SYSTEM」の最新カメラ事情をリポート!(前編)

「CP+2024」が2月22日から25日までパシフィコ横浜で開催されました。今回はその中から、「キヤノン」「ニコン」「OM SYSTEM」のブースを紹介します。

最新カメラの体験をユーザーに届けるショー

 2024年2月22日から25日まで、横浜市西区のパシフィコ横浜で「CP+2024」が開催されました。「CP+」は2010年から毎年開催されているカメラと写真映像のワールドプレミアショーで、「CP」とは「Camera & Photo imaging」の頭文字です。

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「CP+2024」オープニングセレモニーの様子(栗原景撮影)。

 昨年に引き続き、会場イベントとオンラインイベントを併催。出展数は昨年の44団体から88団体に倍増し、コロナ禍前の水準に戻りました。

 カメラと写真映像は、鉄道や飛行機、車など乗り物趣味に欠かせないアイテムです。乗り物好きの視点から会場イベントの主なブースと今のお勧めカメラをリポートします。

 2月22日9時20分からオープニングセレモニーが行われ、12時からは一般来場者向けの公開もスタートしました。

 かつては、各社が開催に合わせて新製品を発表し、春の新製品の体験会という一面もあった「CP+」ですが、近年は映像機器によって得られる体験をユーザーに届けるイベントという性格を強めています。

 会場に入って、まず目を引いたのが、巨大なプラレールの走行展示です。最大20段近い巨大な立体レイアウトのなかを、新幹線や特急、寝台列車など多彩な車両が走行。巨大なレイアウトや車両を自由に撮影できる趣向で、子どもから大人まで多くの人が楽しそうに撮影していました。

MR(複合現実)など次世代の映像体験も紹介~キヤノン

 従来のミラーレスカメラにとどまらない映像体験を多数紹介していたのが、EOS Rシリーズを中心としたミラーレスカメラを展開するキヤノンです。バーカウンターを模したセットで、動画クリエイター向けの機材を、まるでカクテルを注文するかのように体験できる「ビデオクリエイターズラウンジ」。MR(複合現実)システムの「MREAL」と、JVCケンウッドの立体音響技術を組み合わせて、目の前で演奏が行われているような体験ができる「MREAL シン・バーチャル公演体験」など、多彩なコンテンツを提供していました。

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バーカウンターを模したセットで動画クリエイター向けの製品紹介を行うスタッフ(栗原景撮影)。

 最新のカメラとレンズを試せるタッチ&トライコーナーでは、被写体として、アクロバティックな動きのスポーツ「トリッキング」や、華麗な新体操の演技を披露。近年のトレンドが、こうした激しく動く被写体による撮影体験です。「動く被写体」の代表でもある乗り物も、高度な撮影を手軽に実現できるようになりました。

 キヤノンブースで紹介されていた同社製品の中で、こうした乗り物撮影に最適なのが「EOS R6 Mark II」です。圧倒的な高画質と高速処理を両立した有効画素数2420万画素35mmフルサイズCMOSセンサーを採用。特定の被写体を自動検出してピントを合わせ続ける被写体検出機能は「乗り物優先」モードもあり、高速で動く鉄道や自動車、飛行機にしっかり追従します。

ハイエンドと手軽なクリエイティブの2コンセプト~ニコン

 ニコンのブースは、フルサイズ有効画素数4571万画素の「Z8」「Z9」などFXフォーマットのハイエンドモデルを中心に紹介する「NIKON EXPERIENCE AREA(ニコン エクスペリエンス エリア)」と、フィルムカメラ譲りのクラシックなスタイルが女性や若い人にも人気の「Zf」シリーズを中心に撮影の楽しみを提案する「NIKON CREATIVE TOWN(ニコンクリエイティブタウン)」の2本立て。

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ニコンブースに展示されていたZマウントの製品群(栗原景撮影)。

 エクスペリエンスエリアでは、先日Z8とZ9に「鳥」専用の被写体検出モードが追加されたのを受けて、鳥の模型を超望遠レンズで撮影できるなど「鳥」をテーマとした展示が行われました。Z8とZ9には元々「乗り物」モードがあり、専用の「飛行機」モードも搭載するなど乗り物撮影に最適なカメラです。

 一方クリエイティブタウンには、おしゃれなカフェのセット「Zf×カフェスタジオ」などが用意され、6色展開するZfの撮影を楽しめました。街歩きやカフェ巡りなどのイメージが強いZfですが、「乗り物」モードもしっかり搭載。旅をしながら出合った列車を撮影するようなスタイルにぴったりです。

乗り物撮影に適した特性のマイクロフォーサーズ~OM SYSTEM

 キヤノン、ニコンに続いて訪れたのは、2020年にオリンパスからマイクロフォーサーズ規格をはじめとする映像事業を引き継いだOM SYSTEMのブースです。

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新製品の「OM-1 Mark II」は手ぶれ補正機能が8.5段と超強力(栗原景撮影)。

 マイクロフォーサーズ規格は小型軽量かつ強力な手ブレ補正機能を搭載し、被写界深度(ピントの合う範囲)が深いので、列車の編成写真など乗り物の撮影に最適。防塵(ぼうじん)防滴機能も優れています。ネーチャー系の写真家に人気があり、ブースも花と昆虫(マクロ)、野鳥(望遠)、自然(広角・標準)をコアジャンルとして、機材や作品を展示していました。

 同社のカメラのおすすめは、新製品の「OM-1 Mark II」。有効画素数約2037万画素の裏面照射積層型センサーを搭載したプロ仕様機で、ボディー内5軸手ブレ補正機能は「OM-1」の最大8段から最大8.5段に進化しました。

 新たに搭載されたライブGND(グラデーションND)撮影機能は、画面の一部分だけ光の量を抑えて空と地面など明暗差の大きい被写体を自然に写せる機能で、ローカル線の情景など乗り物写真にも応用できます。

女子鉄アナウンサー久野知美さんを招いてトークショーも

 会期中の2月23日には、乗りものニュースの動画媒体である「乗りものチャンネル」が、キヤノン/キヤノンマーケティングジャパンブースでトークショーを実施しました。トークテーマは「真冬の北海道で『鉄道検出』を使って撮り鉄!満足度は?」というもの。被写体の自動検出機能において「鉄道」を認識することができるキヤノンのEOS R6 Mark IIを使って、「雪が降りしきる真冬の北海道でも、その性能は発揮できるのか」という検証をした際のエピソードを語りました。

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左から鉄道系YouTuber「がみ」、女子鉄アナウンサー久野知美さん、交通系YouTuber「欅まつや」(乗りものニュース編集部撮影)。

 このトークショーには、乗りものチャンネルから鉄道系YouTuberの「がみ」、交通系YouTuberの「欅(けやき)まつや」が登壇し、ゲストMCとして女子鉄アナウンサーの久野知美さんも出演しました。

 久野さんが来場者に向けて「鉄道はお好きですか?」と問いかけた際には来場者の8割が挙手をするなど、トークショーは多くの鉄道ファンでにぎわいを見せました。

 トークは大盛り上がりを見せ、予定時刻よりも「8分延(長)」(鉄道用語)で終了しました。

 今回のトークショーについてはキヤノンマーケティングジャパンの公式YouTubeにてアーカイブ配信もされています。

 CP+リポートの後編では、SONYやパナソニック、富士フイルムなどのメーカーを紹介します。

【了】

【画像】CP+2024各ブースの詳細を見る!(52枚)

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