なぜ鉄道と連携できなかったのか? 需要低迷にあえぐ都営バス24時間運行

猪瀬前東京都知事によって始められたものの、需要が低迷する都営バス24時間運行。鉄道と連携できていればまた違ったという声もありますが……。

鉄道と連携しなくても大丈夫だと思っていた?

 2013年12月、「都市を24時間化し、東京のライフスタイルを変える」と提唱した猪瀬前都知事の肝いりで、都営バスの24時間運行が始まりました。区間は渋谷~六本木間という、東京有数の繁華街を結ぶもの。運行間隔は1時間10分で、運賃は通常の都営深夜バスと同様に大人420円、子供210円です。

 しかしそれから半年少々が経過した現在、この24時間運行バスは需要が低迷。岐路に立たされています。なぜそうなってしまったのでしょうか。

 大きな理由として、深夜に動いている公共交通機関がその都営バスだけで、例えば六本木から渋谷に着いても、その先へ行きようがないことが挙げられます。しかしおそらくこの点は、当初から想定済みでしょう。遊び歩く人などで十分な需要が渋谷~六本木間にはあると考えていたと思われます。

 しかし仮にそうして遊び歩く人が大勢いたとしても、運行間隔が1時間10分では使いづらさがあったのではないでしょうか。複数名でいれば、タクシーに乗ってしまうほうが楽かもしれません。運転本数が少ないから利用者が減り、さらに運行本数が減ったり廃止される、というのは公共交通機関で珍しくない「負のスパイラル」です。

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