【日本の高速鉄道 その誕生と歴史】第3回「弾丸列車計画が新幹線に与えた影響」

東海道新幹線開業50周年を記念し、どのようにして新幹線が計画され、開業に至ったのかを振り返ります。第3回は「弾丸列車計画が新幹線に与えた影響」です。

弾丸列車計画が新幹線に与えた影響

 東海道新幹線の計画が表出してくるのは、さらに時代が下った昭和30年代に入ってからのことになりますが、弾丸列車の計画は、少なからぬ影響を東海道新幹線に与えました。

 良い部分では、戦時中に先立って一部区間の用地買収が行われていたため、そこに予算と時間を取られなくて済んだことが挙げられます。高度経済成長期に入った新幹線開通前夜、用地買収は困難を極めましたが、もし一から用地買収を行おうとしていたら、用地確保がさらに難しくなっていたのは間違いありません。

 また、すでに完成して東海道本線で使用されていた日本坂トンネルがそのまま転用できたことや、ある程度掘り進められていた新丹那トンネルがあったことで、東海道新幹線全体の工期が大きく短縮されたのも見逃せない事実です。

 逆に、弾丸列車のルートを辿ったことで、現在の新幹線にネガティブな影響を与えている部分もあります。早期に着工された新丹那トンネルから熱海駅付近にかけては線形(ルートの形状)が悪く、最小曲線半径が1500mとなっており、現在の新幹線の速度向上に、大きな障壁となって立ちはだかっています。

 弾丸列車が計画された当時、鉄道車両が300km/h以上の高速で走ることは想定不可能であり、熱海駅付近の半径1500mの曲線はさほど問題にはなりませんでした。しかし、その後の技術革新によって300km/h超で走行出来る車両が開発されるようになると、この熱海駅付近に存在する急曲線が、速度向上に対するボトルネックとなってしまいました。

【第4回:戦後の鉄道旅客輸送に続く】

※一部修正しました(2020年5月24日10時00分)。

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