【日本の高速鉄道 その誕生と歴史】第6回「狭軌での可能性を探る」
東海道新幹線開業50年を目前とした今、乗りものニュースではどのようにして新幹線が計画され、開業に至ったのかを振り返ります。第6回は「狭軌での可能性を探る」です。
新性能電車の誕生
電車の技術革新は目覚ましく、昭和28年(1953年)に営団地下鉄(当時・現在の東京メトロ)300形で初めて「カルダン駆動」が実用化され、その後大手私鉄を中心に、急速な広まりを見せました。
カルダン駆動とは、それまでの吊掛(つりかけ)駆動方式と比較すると、高い加減速性能を持ち、メンテナンス性にも富みます。また、騒音は劇的に低下、乗り心地も大幅に向上し、電車の歴史上革命的な技術のひとつと言えます。
国鉄もこのカルダン駆動の開発に乗り出し、営団300形に遅れること4年、昭和32年(1957年)に90系(後の101系)の試作編成を完成させました。
それまでの吊掛駆動は、モーター重量の約半分が車軸に直接掛かるため、線路や台車、車体へ与える衝撃が激しく、部品の消耗は激しくなりがちでした。また、乗り心地や騒音など、乗客へのサービス面でも客車列車と比較すると一段落ちるものとなっていました。
カルダン駆動は、吊掛駆動と比較すると、モーターの重量を車軸で支えることはないため、全体的な走行性能の向上を図ることができます。また乗客へのサービスでも、吊掛駆動と比較すると、乗り心地と静粛性で飛躍的に向上し、“電車”が担える役割が大きく変化するほどの技術革新となりました。
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