「日本最速のフェリー」後継2隻目「はまなす」ついに進水! 新日本海フェリー新造船 1番船にない“太陽電池ペタペタ”って!?
新日本海フェリーが舞鶴―小樽航路に投入する新造フェリーの2番船「はまなす」が進水。1番船「けやき」も間もなくデビューしますが、2番船には“太陽電池”という新機軸が取り入れられます。
最安クラスでも「プライベート空間」
「はまなす」の船内は、開放的で快適な船旅を演出するため、3層吹き抜けのエントランスとシースルーエレベーター、船首部には2層吹き抜けのフォワードサロンを備えます。最上階には日本海の風を肌で感じながらの露天風呂、様々なビジュアルコンテンツを鑑賞できる多目的ルームを設置。コース料理などを提供するグリルでは海を眺めながら食事を楽しむことができます。
旅客定員は286人です。客室はオーシャンビューの浴室を設けたスイートルーム2室のほか、専用テラス付きデラックス16室、シャワー・トイレが完備されたステート洋室30室、家族旅行に最適なステート和洋室8室、ペットと同伴できるステートウィズペットルーム5室を用意。
安価なツーリストクラスでも、ツーリストSではプライベート空間が確保できる1人部屋の個室寝台を設けます。一番リーズナブルなツーリストAでは寝台を上下段で互い違いに配置し、プライベートを確保するとのことです。
現代の「北前船」?
舞鶴―小樽航路に投入される新船の1番船に当たる「けやき」は、2025年11月14日に小樽発舞鶴行きでデビューします。2番船の「はまなす」は2026年6月のデビュー予定です。

「けやき」は京都の歴史をコンセプトに、グリルレストラン「大江山」やフォワードサロン「白竜」など、随所に京都や丹後ゆかりの名称や意匠が取り入れられています。このため「はまなす」では北海道をコンセプトにした船内デザインになる可能性があります。
新日本海フェリー経営企画部の中山晃一部長は「かつての北前船と似た航路になるので、日本海側の港湾や関係団体と、ツアー企画、船内イベントや船内販売会などができればと考えている。船内生活の『非日常』を過ごしていただくため、さまざまな企画を検討中だ」と話していました。
また、同社グループ会社でオーセントホテル小樽や、ニセコ羊蹄の宿楽水山といった宿泊施設も運営しているため、「フェリー航路単体だけではなく、観光も含めた北海道や後志地区も絡めた面展開もできればと考えている」と意気込みました。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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