ついに橋桁“消滅” 阪神高速14号松原線「喜連瓜破」工事のいま 「阿波座」でも架替え進行中 まもなく見える“空”その後は?〈PR〉
阪神高速14号松原線の喜連瓜破~三宅間で「約3年間の通行止め」を伴って行われている、橋の架替え工事。現在、どこまで進んでいるのでしょうか。同時進行となっている16号大阪港線の阿波座での工事も、現場が大きく動いています。
3年通行止めで高架橋を丸ごと架替え
阪神高速14号松原線で橋の架替え工事が行われています。この工事により、喜連瓜破~三宅JCT間が、2022年6月から2025年3月末(予定)まで約3年間、通行止めとなっています。
瓜破交差点で長居公園通をまたぐ阪神高速の高架橋は、橋の中央で垂れ下がっていた継ぎ目部分を撤去し、継ぎ目のない1本の橋桁に架けなおすという工事です。橋桁が垂れ下がる心配もなくなります。工事開始から1年を経て、現場に大きな節目が訪れています。
ついに橋桁撤去!秋には空が見える状態に
6月時点で、ついに古い橋桁の撤去が完了しました。地上道路を通行止めにするのを極力避けるため、「橋桁の上に仮設の橋(仮設桁)を架け、古い橋桁をバラして仮設桁へ吊り上げて撤去していく」という工事方法を採用。現在はその仮設桁だけが上空に残っている形です。
実際に古い橋桁をバラし始めたのはことし1月。そこから5か月をかけ、予定通りのスケジュールで完了しています。最大の作業のひとつが一段落し、工事担当者は「周辺住民の方々、利用者の皆さまのご理解・ご協力で、ここまで遅滞なく工事を進めることができています。今後も安全に工事を進め1日も早い完成を目指していきたい」と話します。
次はいよいよ 長居公園通の上空が「無」になる時が!?
次の作業は、古い橋桁の撤去に使用した「仮設桁」の撤去となります。この作業は2023年8月下旬から秋頃まで。これが終われば、橋桁撤去の一連の作業が完了となり、さらに既設橋脚頭部の撤去が完了すれば、「新しい橋を架ける」段階に移っていきます。
新しい橋桁が架かり始めるのは、2024年秋ごろ。それまでの約1年間は、長居公園通の上空はいよいよ「全く何もない」状態となり、松原線の開通以前、約40年前の風景が蘇ります。阪神高速は100年先を見据えて工事を進めているというので、ここで橋のない風景が見られるのは、非常に貴重なものになるかもしれません。
完成と通行再開は2025年3月末の予定です。
阿波座でも「新しい橋桁」に架替え中
14号松原線の工事と並行する形で、大阪市中心部の16号大阪港線の阿波座付近でも工事が進行中です。2024年秋ごろまで、西行き(天保山方面)で左側1車線が終日規制となります。
もともとこの区間は片側3車線で作られていましたが、1997(平成9)年に外側へ1車線を拡幅しています。この拡幅方法が「既設の3車線に、新たな1車線分の高架橋(拡幅桁)を別の新たな橋脚で支えるかたちで追加する」というものでした。
ただし、拡幅桁を支える橋脚を既設桁の橋脚のあいだに配置せざるを得なかったため、双方の桁で支点の位置がずれ、たわみ方が異なってきます。桁と桁のつなぎ目をフレキシブルな部材(縦目地)で埋めることで、たわみ方の違いを吸収していたものの、結果的に縦目地部分で損傷が発生し、それに伴う騒音が生じてきました。
そこで、既設桁も拡幅桁も「同じ橋脚で支えて、くっつける」というのが、今回の阿波座での工事です。
具体的には、既設桁を支えている橋脚頂部を横へさらに張り出し、拡幅桁も支えてあげるというものです。「外にコンクリートを打ち増ししただけで、重量を支えられるのか?」という不安がよぎるかもしれませんが、問題ありません。橋脚の両側を鋼材で挟みこんでワイヤーで引っ張り、まるで「クランプ」のように強力に締め付けることでコンクリートを補強。打ち増し部も一体化した橋脚にします。
同時に、拡幅桁を支えるために立てられた橋脚も増築し、地震時などに橋桁を一緒に支えられるようにします。こちらの橋脚は鋼製で、ボルト止めや溶接などでしっかりと張り出し部を一体化します。
拡幅車線の橋桁はいったん撤去され、新しい橋桁を設置して、既存の部分と接合のうえ一体化します。支点の位置が揃えられ、車線間の縦ズレが解消されることで接合が可能になるのです。
2023年7月現在の工事進捗ですが、西半分はすでに新しい橋桁が架かっている状態で、既存橋桁との接合作業や高欄など仕上げの作業中。東半分は、古い橋桁の撤去が完了し、新しい橋桁を架ける準備を行っています。
大規模な通行止め どう迂回する?
松原線の喜連瓜破~三宅JCT間が通行止めとなっている現在、西名阪道や南阪奈道路から大阪都心部へのう回路は以下のような3ルートが案内されています。工事期間中はETC搭載車を対象に、いずれのルートを通った場合も、松原線経由で計算された料金となります。
・6号大和川線~5号湾岸線
・近畿道~13号東大阪線
・近畿道~12号守口線
このうち「近畿道~13号東大阪線」ルートでは、先述の阿波座付近での橋桁架替え工事が行われ、車線規制中です。阪神高速によると、この阿波座付近はもともと渋滞スポットであったこともあり、工事以降は混雑がさらに激しくなってきているとか 。時間帯によっては、思わぬ渋滞に巻き込まれるかもしれません。
阪神高速は工事特設サイトでリアルタイムの所要時間情報や混雑度合いの時間帯別グラフを提供中。移動にあたっては、事前に混雑状況を確認したうえで「混雑を避けるようなルート」の選択を呼びかけています。
【了】