その強烈加速 プロに聞く 週刊『ワイルド・スピード ダッジ・チャージャーR/T』〈PR〉

映画『ワイルド・スピード』シリーズの「ダッジ・チャージャーR/T」を組み立てるパートワークマガジンが、デアゴスティーニより創刊。「スーパーチャージャー」や「ナイトロ(ニトロ)」の実際を、老舗チューンショップに聞きました。

『ワイルド・スピード』の「ダッジ・チャージャーR/T」を自分の手で組み立てる

 映画『ワイルド・スピード』シリーズといえば、日本でも大ヒットとなっているアメリカのカーアクション映画。その最新作である『ワイルド・スピード9 ジェットブレイク』が、2020年5月にいよいよ日本公開となります。

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週刊『ワイルド・スピード ダッジ・チャージャーR/T』で組み立てる、8分の1スケールの「チャージャーR/T」(画像:デアゴスティーニ)。

 その『ワイルド・スピード』シリーズに欠かせないクルマといえば、主人公ドミニク・トレット(愛称ドム)の愛車である、「ダッジ・チャージャーR/T」ではないでしょうか。これを徹底再現した8分の1スケールモデルを組み立てられる週刊『ワイルド・スピード ダッジ・チャージャーR/T』が、デアゴスティーニより創刊されます。

チャージャーR/Tが爆走する劇中シーンも垣間見られる週刊『ワイルド・スピード ダッジ・チャージャーR/T』スペシャルムービー1(動画:デアゴスティーニ)。

「ダッジ・チャージャー」とは、クライスラーのダッジ・ブランドが1966(昭和41)年に発売したモデルです。ダッジ・ブランドを象徴する「マッスルカー」として開発され、全グレードで大排気量のV8エンジンを搭載していたことが特徴でした。1967(昭和42)年には440cu.in.(キュービックインチ。約7.2リッター)のV8エンジンを搭載した「チャージャーR/T」が追加されています。

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組み立てるモデルは8分の1スケールで全長65.8cm、重量は8.3kgになるという(画像:デアゴスティーニ)。

 ベース車両の時点で高いパフォーマンスを誇る「ダッジ・チャージャーR/T」を劇中、ドムの父親が自宅ガレージでさらにチューンナップ(改造)したと描かれていますが、なかでも目立つのが、ボンネットから突き出た「スーパーチャージャー」です。

ロッドモータースに聞く「スーパーチャージャー」実際どういうもの?

 アメリカ車では定番となっているチューニング方法ですが、その特徴はどんなものなのでしょうか。日本におけるアメリカ車チューン・メンテナンスの老舗ショップであるロッドモータース(横浜市都筑区)の、葛木 良さんに話を聞きました。

 同店は葛木さんの父である誠さんが興したショップで、1960年代から70年代のアメリカ車を得意とし、日常のメンテナンスからチューニングのほか、ドラッグレースにも積極的に参加しているといいます。

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ロッドモータースがカスタムを手掛けた「ダッジ・チャージャー」。ボンネットのスーパーチャージャーが存在感を放つ(画像:ロッドモータース)。

――ボンネットから露出しているスーパーチャージャーとはどんな仕組みで、どのような効果があるのでしょうか?

 スーパーチャージャーとは、基本的にはターボと同じ「過給器」ですね。エンジンは燃焼室に入れた混合気を圧縮して点火し、爆発させることで動力を得ています。なので、より多くの空気を送り込むことでパワーを高めることができます。

――大きさや高さによって、得られるパワーに違いはあるのでしょうか?

 低い回転域からパワーを出せることがメリットなので、パワーというより大きなトルクが得られるという表現のほうが合っているかもしれません。大排気量エンジンや、ATミッションの多いアメリカ車と相性がいいのは、それが理由でしょうね。

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ドムの「チャージャーR/T」を象徴する、細部まで再現された「スーパーチャージャー」(画像:デアゴスティーニ)。

 スーパーチャージャーのシステムではBDSという会社が知られていますが、外から見てサイズ以外にも“本気度”がわかるポイントがあります。スーパーチャージャーへは、ベルトを介してエンジンのクランクシャフトから動力を伝達していますが、そのスーパーチャージャー側のプーリー(ベルトの動力を伝達する円盤状の部品)が小さければ小さいほど回転力が高まり、得られる風量も大きくなる、つまりパワーが出せるということになります。

――スーパーチャージャー装着に関するコストはどのくらいでしょうか?

 アメリカでスーパーチャージャーキットと呼ばれているものは、3000ドル(2020年2月10日現在のレートで約33万円)くらいから販売されています。ただしある程度自分で作業できる人向けという部分が大きく、我々のようなショップが作業するときでも、装着にあたってキット側、車両側それぞれの加工作業が必要なケースが多いです。

 また、スーパーチャージャーはより多くの混合気を押し込むという機構上、パワー(トルク)を求めれば求めるほどエンジンのピストンやピストンリング、バルブ、ヘッドガスケットなどを交換する必要が出てきます。もちろんマフラーも交換したほうがベターでしょうし、なのでコストは一概には言いづらいというのが実際のところです。

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ボディパーツはメタル製(画像:デアゴスティーニ)。

 ボンネットからあれだけ飛び出ているスーパーチャージャーは運転中、邪魔にならないのかと聞くと、葛木さんは「間違いなく邪魔ですよ!」と笑います。

「ただ近年はアメリカでも、あえて見せないチューニングの人気が高まっていて、エンジンルームのなかに納まるコンパクトなスーパーチャージャーシステムが次々に発売されています。1960年代から70年代のマッスルカーと呼ばれるモデルは、ヒストリックカーとしての価値が高まり車両価格が高騰しているので、なるべくノーマルの姿を保ったまま乗りたいというオーナーも多いようです」(ロッドモータース 葛木 良さん)

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CONTINENTALのロゴも入ったフロントタイヤはハンドルと連動して動く(画像:デアゴスティーニ)。

 さてもうひとつ、『ワイルド・スピード』といえば、劇中でドム率いるファミリーが操るクルマに必ずといっていいほど装備されているアイテムがあります。

 パチパチとロックを外し、ボンベの栓を開放、スイッチひとつで爆発的なパワーを得るあの装備、劇中「NXシステム」と呼ばれ、日本版DVDでは「NOS(ナイトラス・オキサイド・システム)」となっていましたが、「NOS」は商標のため、「ナイトロシステム」などとも呼ばれます。「ニトロ」といえば通りがいいかもしれませんが、爆薬のニトログリセリンや燃料としても使用されるニトロメタンなどとは別物です。

 アメリカではポピュラーなチューニングメニューといいますが、実際どういったものなのか、その仕組みや効果について引き続き葛木さんに聞きました。

『ワイルド・スピード』でおなじみ「ナイトロ」 それ自体は爆発しません

――ナイトロシステム(いわゆるNOS)というのは、パワーを出すための特別な燃料なのでしょうか?

「ナイトラス・オキサイド」というのは、日本語でいうと亜酸化窒素です。これは高温になると酸素が遊離する特徴があり、結果として一時的に多くの酸素をエンジン内部に送りこむことが可能になり、より大きなパワーを得られます。

 基本的にはどんなクルマでも使用でき、爆発性はないので扱いも簡単ですし、またボンベ自体のルックスも良いので、あえて車外からも見えるように装着することも多いですね。ただ現在、日本国内で亜酸化窒素ガスの購入は難しいです。

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もちろんインテリアも細部まで再現(画像:デアゴスティーニ)。

――エンジン自体の耐久性に影響はないのでしょうか?

 極めて短時間で大きな出力を得られるシステムなので、エンジンには一時的に大きな負荷がかかります。一方で亜酸化窒素は気化する際に摂氏マイナス60度まで下がり、周囲の熱を奪う性質があるため、エンジンを冷やすというメリットもあります。耐久性に関しては、大きな影響はないといえると思います。

――スーパーチャージャーとナイトロシステムを併用することの利点や効果、特徴などは、どういったものでしょうか?

 スーパーチャージャーは低回転域から過給が高められるのが特徴なので、高回転域ではナイトロシステムを追加で使用することで、さらにパワーは高められますね。基本的にナイトロシステムはアクセル全開状態で使用するものです。スイッチを入れてからアクセルを踏むのではなく、アクセル全開で走っていて「もうひと伸びが欲しい!」というときに追加で噴射するイメージです。効果が継続するのは、システムを作動させて数秒といったところでしょうか。

お客さんとのあいだで話題になっていた「チャージャーR/T」

 そして「お客さんとのあいだでも話題になっていました」と葛木さんも話す、劇中車のチューニングを徹底再現したモデルを組み立てる『週刊ワイルド・スピード ダッジ・チャージャーR/T』が、デアゴスティーニから発売されます。

組み立てる8分の1スケール「チャージャーR/T」のディテールに迫る週刊『ワイルド・スピード ダッジ・チャージャーR/T』スペシャルムービー2(動画:デアゴスティーニ)。

 8分の1というビッグスケールで再現された「チャージャーR/T」は、実車のフォルムはもちろん、ボンネットから突き出たスーパーチャージャーも忠実に再現。ボディはすべて金属製のパーツが使用されており、手に持った際にずっしりとした重厚感があります。

 特徴的なエンジンルームは精巧なプラスチック製パーツによって構成され、ビッグスケールらしく左右のドアやエンジンフード、トランクフードは開閉可能。もちろん内部もしっかりと作り込まれており、ブレーキペダルを押すとリアのテールランプが点灯するほか、ヘッドライトも実車同様に光らせられます。またエンジン音やクラクションの音も再現するなど、『ワイルド・スピード』ファンだけでなく、アメリカ車ファンなら注目のアイテムといえるでしょう。

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『ワイルド・スピード』を徹底解剖するというマガジン(画像:デアゴスティーニ)。

 デアゴスティーニによると、マガジンでは映画『ワイルド・スピード』シリーズの逸話や、登場人物に関するエピソードなどを紐解くとのこと。組み立てのわかりづらいところは、動画でもフォローするそうです。

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創刊号から15号までの購入者全員に贈られる、フェイスタオルとスマートフォンスタンド(画像:デアゴスティーニ)。

 また創刊号から第15号までの購読で、『ワイルド・スピード』のロゴをデザインしたオリジナルフェイスタオルとスマートフォンスタンドが、セットで全員にプレゼントされます。そして第5号と同時に、本誌37冊を収納できる特製マガジンケースも発売するとのことです。

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週刊『ワイルド・スピード ダッジ・チャージャーR/T』創刊号は2020年2月25日発売(画像:デアゴスティーニ)。

 週刊『ワイルド・スピード ダッジ・チャージャーR/T』は2020年2月25日(火)創刊で、全110号の刊行を予定。価格は創刊号が499円、第2号以降は1859円(いずれも税込)です。

●デアゴスティーニ 週刊『ワイルド・スピード ダッジ・チャージャーR/T』
https://deagostini.jp/dod/

【了】

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Writer: 佐橋健太郎(自動車ライター&エディター)

1973年生まれ。自動車雑誌を中心に、出版社の編集部に15年在籍。その後、2013年にフリーランスのライター&エディターとして独立。現在は、国内外の新車情報からカスタム&チューニング事情まで幅広くレポート。季刊誌『ホンダスタイル』(http://www.hondastyle-mag.com/)の編集長も務める。

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