国鉄の「ナッパ服」に注目 ワークウェアブームで再評価の動き 鉄道ファン的には?
ヴィンテージのナッパ服も人気? 鉄道趣味ショップに聞くと意外な答えが…
では、国鉄時代に使われた古着としてのナッパ服は、どうなっているのでしょうか。鉄道趣味アイテムを扱う交通趣味ギャラリー東京新橋本店にて、代表の大谷 豪さんに話を聞くと、ちょっと意外な答えが返ってきました。
「ナッパ服は需要がなく、いわゆる死にスジ商品で棚出しすらしていませんでした。古着市場では古い本物の作業着にそれなりの需要と人気があるのですが、ナッパ服の場合、とにかく量が多すぎます。最盛期の国鉄職員の数は全国におよそ46万人、モノが豊富すぎるのです」
近年は鉄道趣味の市場が活況を帯びていますが、ナッパ服の実態は全く反対であるようです。その背景について大谷さんは、「楽しみ方が広がったことで、モノを収集するファンが年々減少している」と話します。
鉄道ファンが、撮り鉄、乗り鉄、音鉄などそれぞれの楽しみ方にお金をかけるようになる一方で、かつて人気のあった収集趣味は減ってきているのだとか。収集の対象を人気順にすると、第一に模型、第二に部品(車両の部品や備品、看板など)であり、その次が装備品。その装備品に属するウェアもアイテムで人気に差があり、帽子、制服、スーツときて、その下が国鉄ナッパ服だそうです。
「ファンが収集する対象は細分化していて、例えば好きな電鉄会社のものなどに絞りこまれます」と大谷さん。古いものよりも、出回りにくい現行品に希少価値を感じるのがマニアの心理のようです。
交通趣味ギャラリーの販売品では、モノの状態にもよりますが、帽子がおよそ5000~6000円なのに対し、ナッパ服は上下セットアップでおよそ5000円。帽子には模型イベントなど催事での着用や、ファン仲間へのプレゼントといったニーズがある一方で、ナッパ服は仲間を喜ばせるアイテムとしてのインパクトに欠けるのかもしれません。
鉄道ファンの間では存在感が薄くなっているナッパ服ですが、欧米の鉄道ファンの間では、機関士や鉄道員の作業服がヴィンテージ化することもあります。また、ナッパ服と同じように作業着として誕生したオーバーオールは、ファッションとして定番化し、古い本物がヴィンテージ化しています。これからナッパ服も、ファッションの領域で、オーバーオールのような存在になっていくのでしょうか。
【了】
ん~、1人だけとか2.3人くらいが着るならまだ良いですが工場とかで全員着てると戦時中なのか人民服か、とか思ってしまいます。
ナッパ服とズボン色が揃っているからなのかもしれませんが、着るならズボンの色を変えても良さそうな気はしますね。(戦時中ぽさは、無くなるかも、)
相模線にキハ10が走っていた頃、この服装の運転士がいました。制動は追加、追加で停止位置にピッタリ。名札には「機関士」とありました。お元気なら90は超えているかと。