話題の兵庫県議が足繁く通ったという城崎温泉、佐用ってどんなところ?
あの知る人ぞ知る施設が
佐用町は兵庫県西部、岡山県に接する山間部の静かな町です。「佐用」は「さよう」と読みます。出雲街道と因幡街道が接する交通の要衝で、鉄道的にも佐用駅はJR姫新線と智頭急行線が交差。特急列車も停車するため、鉄道ファンには比較的認知度があるでしょう。中国自動車道のインターチェンジもあります。
また町の南部には「SPring-8」と呼ばれる世界最高性能の大型放射光施設が存在するので、科学系の方々にも認知度があるかもしれません。この「SPring-8」は、1998(平成10)年に発生した「和歌山毒物カレー事件」における毒物の分析でも使われました。
今年の大河ドラマ『軍師官兵衛』で、尼子勝久や山中鹿介が籠もったものの織田軍に見捨てられ落城した上月城跡も、佐用町にあります。
人口は2005(平成17)年で21,021人、2010(平成22)年で19,265人、65歳以上の人口が33.98%(2010年)と、過疎高齢化が進む山に囲まれた町でもあります。
そのためこの佐用町を、歴史文化遺産の活用や振興、高度な科学技術に対する調査研究、過疎化高齢化問題に対して積極的に関わっている人が訪れるのであれば出張の理由になると思いますが、もしそうでない人が、しかも62回も行く場所かというと、大いに疑問が生じます。
今回の騒動で、城崎温泉と佐用について初めて知った人も少なくないのではないでしょうか。波紋を広げている今回の兵庫県議の騒動ですが、逆に城崎温泉と佐用町はチャンスかも?
【了】
Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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