【日本の高速鉄道 その誕生と歴史】第2回「戦時色に染まった弾丸列車計画」

東海道新幹線開業50周年を記念し、どのようにして新幹線が計画され、開業に至ったのかを振り返ります。第2回は「戦時色に染まった弾丸列車計画」です。

弾丸列車計画の概要

 弾丸列車計画の概要は、以下の通りでした。

・在来線とは別に標準軌の複線を東京~下関間に敷設

・機関車牽引の客車列車での運行

・東京~静岡間は直流3000Vで電化、電化区間は最高速度200km/h

・静岡以西は大型の蒸気機関車で牽引、最高速度は150km/h

・東京~大阪間を4時間、東京~下関間を9時間で結ぶこと

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弾丸列車の計画路線図。下関から先は海底トンネルで大陸と直通させる案もあった。

 昭和15年(1940年)になると、帝国議会の承認を得て、用地買収と建設工事が始められました。

 用地買収は戦時下ということもあり、半ば強制的に行われ急速な進展を見せました。同時に、難工事が予想された新丹那トンネル・東山トンネル・日本坂トンネルについては、早々に着工され工事が進められていました。

 しかし時代は、太平洋戦争の開戦へと動いていきます。

【第3回:弾丸列車計画が新幹線に与えた影響に続く】

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