「観光船」の役割高まる 3代目「おがさわら丸」建造へ
小笠原の生命線ともいえる貨客船「おがさわら丸」が、新造されることになりました。はたしてどんな船になるのでしょうか。また小笠原への船旅はどうなるのでしょうか。
人に優しくなる3代目
「船旅」を嫌う人の最大の理由は「船酔いがいやだから」だそうです。
船酔い防止として一番効果があるのは船を大きくすること。小笠原海運が2015年3月に3代目「おがさわら丸」の建造を発表しましたが、現在就航中の2代目に比べて総トン数は64%も増やしたのに乗客定員は15%しか増やさない、いわば船酔い対応型ともいえる新造プロジェクトになりました。多数の乗用車やトラックを搭載する長距離フェリーを除けば、日本最大級の定期貨客船となる「新おがさわら丸」は、生活航路の客船からもう一歩、観光船としての役割を高めた船になりそうです。
新造船の就航は2016年7月が予定されており、2代目「おがさわら丸」も生まれた三菱重工下関造船所で建造されます。
3代目の総トン数は約11000トン(6700トン)で全長150m(131m)、全幅20.4m(17.2m)、満載喫水5.7m(同)、メインエンジン4サイクルディーゼル19800kw(同)、航海速力23.8ノット(22.5ノット)、乗客定員892名(769名)。()内は2代目の数字です。
エンジン出力が同じにも関わらず44km/h(41.67キロ)もの快速を出せるのは、省エネ船型の採用、高性能プロペラの搭載によるもので、1997年に就航した2代目と比べ、20年間における造船技術の進歩を大胆に取り込むことができた船、といえましょう。
小笠原航路で運用する予定だったTSLは解体された様子。
三代目には頑張って欲しいですね。