無数の数字 時刻表の作り方とは 特別授業を実施 JTB

「紙の時刻表」の良いところ

 そしていよいよ第2部、実際の『JTB時刻表』編集部で、実際に使われているPCとソフトを用い、製作体験を行います。

 時刻表製作はごく簡単にいうと、列車の情報が詰まったデータベースを編集、操作し、DTPで作成するシステムです。製作体験は、データベースに存在する仮の臨時特急列車について情報を編集。東海道本線を走るその列車の時刻などを、配られた資料通りに変更するという形で行われました。

 この際、臨時特急列車の列車名についても自分の名前を使い、「たろう号」という形に変更しましょう、という方向性で進められたのですが、いや、自分は「スーパー踊り子」にするといった“本物志向”の子も見られました。

 そうして製作したものをプリンタで出力。実物の『JTB時刻表』誌面と同じものができあがりました、が、これで終わりではありません。重要な「校正」があります。

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集中力が必要な校正作業(2015年8月8日、恵 知仁撮影)。

 子どもたちは色鉛筆を使い、配られた資料通りに変更できているかチェック。そしてさらに編集長チェックが入ります。それでOKがでたら「校了」のはんこを貰い、完成です。

「紙媒体には一覧性や保存性といった良さがあり、時間が経てば貴重な資料にもなります。これをきっかけに『時刻表』へ親しんでいただき、実際に旅行へ出かけて楽しんでもらえたらと思います」(JTBパブリッシング時刻情報事業部 企画営業課 石川課長)

 ちなみに鉄道ファンのなかには、紙の『時刻表』を旅行のとき、丸めて枕として使う人もいます。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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