月面探査にボーイング787の整備技術を応用 JAL
JALが月面探査を目指す民間チームとパートナー契約を締結。同社の機体整備技術を、月面探査機の保守運用に応用するといいます。
共通する“炭素繊維”
JAL(日本航空)は2015年10月22日(木)、月面探査を目指す日本の民間チーム「HAKUTO(ハクト)」(運営:株式会社ispace)と、コーポレートパートナー契約を締結したと発表しました。
JALが持つ航空機の整備技術を、ハクトが開発する月面探査機の運用や保守に応用することを視野に入れた契約といいます。
ハクトは、月面無人探査を競う国際賞金レース「Google Lunar XPRIZE」に挑戦中。米国IT大手Googleがスポンサードするこのレースは、民間だけで開発した無人探査機を月面に着陸させ、着陸地点から500m以上走行。指定された高解像度の動画や静止画データを地球に送信することがミッションです。
現在、ハクトが開発中の月面探査機「ローバー」の機体には炭素繊維が採用されています。炭素繊維は比重が鉄の4分の1ですが、強度は10倍。アルミニウムと比較しても大幅に軽量化が可能です。しかし特殊素材のため、整備や取り扱いに技術やノウハウが必要とされます。
一方、JALが運航するボーイング787型機は、燃費向上などの目的で主要構造に炭素繊維を採用。JALがこの機体の運用を通じ、蓄積してきた整備技術やトラブルシューティングの手法を、月面探査機で活用する形です。
JALは「オールジャパンの力を結集した月面探査『ローバー』で、世界初の民間による月面探査を目指すハクトとJALは今後も協働することで、新しい未来を創るチャレンジを行ってまいります」としています。
【了】
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