世界一周中止で好影響? 2016年の日本クルーズ

すでに実はアジア地域でダントツ1位の日本

 欧米の有力船社は2015年春以降、相次いで中国発の定期クルーズの増強・参入を発表しました。

 2016年にはスタークルーズ(香港)が中国のアモイと沖縄を結ぶクルーズを開始し、2017年にはプリンセス・クルーズ(米国)が新造船を投入します。同じく2017年には、ノルウェージャン・クルーズライン(米国)やアイーダ・クルーズ(ドイツ)、カーニバル・クルーズライン(米国)などカーニバルグループ船社の新規参入も始まる予定です。

 すでに2006(平成18)年から中国発着クルーズを展開しているコスタ・クルーズ(イタリア)、ロイヤル・カリビアン・クルーズ(米国)らも2016年以降に投入船を大型化。さらに増強する計画を示しています。

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横浜港に入港する「ダイヤモンド・プリンセス」(写真出典:プリンセス・クルーズ)。

 ここまで挙げてきたクルーズ会社の客船は、ほとんどが日本を目的地としています。日本の港への寄港数はすでに626回(北米クルーズ協会会員のみの集計)に達し、アジア地域でもダントツ1位ですが、この数字がさらに積み上がっていくことは確実でしょう。

 しかし問題もあります。日本の地方港は受け入れ能力が不足する可能性があるのです。観光地やショッピングセンターに向かうバスが渋滞を起こしたり、そもそもバスの手当てやCIQ(税関・出入国管理・検疫)対策などが難しい港も少なくないようです。

 西日本の地方港のなかには、ここ数年の中国人クルーズ客の爆発的な増加に対応して、人員の増強や設備投資を計画しているところもあります。その一方で、地元にはさまざまな不安感を示す声も少なくありません。

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