世界一周中止で好影響? 2016年の日本クルーズ

北陸新幹線の存在を想定したクルーズも

 日本のクルーズ市場を見た場合、もうひとつあげられるトピックは、外国の船会社が日本市場への関わりを強化していることでしょう。

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日本で人気が高い「クイーンメリーII」(写真出典:キュナード・ライン)。

 コスタ・クルーズ(イタリア)は、これまでおもに中国へ投入してきた「コスタ・ビクトリア」(7万5166総トン)のクルーズのうち、10航海を日本向けに振り向けることを発表しました。同時に日本支社を設立し、本格的な日本市場開拓に入っています。

 同社は、博多を起点に境港・舞鶴・金沢・釜山(韓国)を巡るクルーズを企画。これは、金沢では北陸新幹線を利用した関東からの利用者を、また舞鶴では関西、博多では西日本からの利用者を見込んでおり、3港プラス釜山での乗船が可能というユニークな試みのクルーズです。コスタ・クルーズは利用者の60%を日本から、20%を韓国からと期待しており、ローカル需要の開拓にも意欲を示しています。

 さらにフランスの高級クルーズ会社ポナンクルーズは、5本の日本クルーズを計画。ロイヤル・カリビアン・クルーズ(米国)も3本の日本発片道クルーズを実施し、日本人に人気のあるイギリス船籍の「クイーンメリーII」(14万8528総トン)も香港と日本を往復するクルーズを実施するなど、日本市場を目指す外国船に力が入っています。

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