新幹線らしくない新幹線、デビュー 世界最速で芸術鑑賞

「世界最速の芸術鑑賞」が可能な「現美新幹線」が2016年4月29日、デビューしました。「黒い新幹線」として話題になった車両で、様々な意味で従来の新幹線車両とはおもむきが大きく異なっています。

「のってたのしい新幹線

 2016年1月に初めて姿を現し、「黒い新幹線」とも呼ばれた「現美新幹線」が2016年4月29日(金・祝)、上越新幹線の越後湯沢〜新潟間で営業運転を開始しました。

泉田新潟県知事らが出席し、越後湯沢で行われた「現美新幹線」の出発式(2016年4月29日、恵 知仁撮影)。

 この「現美新幹線」は、その名の通り「現代美術」をテーマにした列車です。夜空に浮かぶ新潟・長岡の花火をイメージした外装は、写真家で映画監督の蜷川実花さんによるもの。そして6両編成の各車内では絵画や写真、立体といった様々なジャンルのアーチストが、壁一面を鏡のようにするなどそれぞれの“世界”を創り出しました。

「新幹線」というと「白系の色が多い」「座席が機能的に並んでいる」というイメージがあるかもしれませんが、この「現美新幹線」はそうした意味で、ルックスも中身もおよそ新幹線らしからぬ、“見たことのない新幹線”になっています。

ミラータイルを使って表現された小牟田悠介さんによる12号車。本物の座席は左側のみ(2016年4月11日、恵 知仁撮影)。

JR東日本では鉄道の未来を切り開くため、単なる移動ではなく、列車に乗ること自体を楽しんでいただく取り組みを進めています。そこで『のってたのしい新幹線』にチャレンジし、誕生したのがこの『現美新幹線』です」(JR東日本、弭間俊則新潟支社長)

 新幹線は1964(昭和39)年、増大する東海道本線の需要をカバーするための「移動手段」として生まれ、現在では安定した高速大量輸送が可能な交通システムとして世界に知られています。

 今回登場した、移動そのものが主目的ではない「観光新幹線」。新幹線らしからぬ要素を多く持っていますが、もちろんその最高速度は200km/h以上です。JR東日本は「世界最速の芸術鑑賞」とアピールしています。

 なお、運行は5月8日(日)までの毎日と、6月26日(日)までの土日で、7月以降についてはのちに発表される予定。各日とも、越後湯沢〜新潟間を3往復します。きっぷは駅「みどりの窓口」などで購入可能です。6両編成のうち1両は通常の指定席車両ですが、ほかの5両は、6月までこの列車を利用する行商品用の席として、7月以降は通常の自由席として販売されます。

 ちなみに、「現美新幹線」はカフェも用意。「魚沼産米粉のバニラケーキ」といった、地元・新潟の素材を使ったスイーツなどが味わえます。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道ライター、イラストレーター。「鉄道」や「旅」に関する執筆活動や絵本の制作を行っているほか、鉄道車両のデザインにも携わる。子供の頃からの旅鉄&撮り鉄で、日本国内の鉄道はJR・私鉄の全線に乗車済み。完乗駅はJRが稚内で、私鉄が間藤。メインは「鉄道」だが、基本的に「乗りもの」好き。

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コメント

1件のコメント

  1. 売れてるからって
    直ぐに手を出したがる

    蜷川某にセンスの欠片も見出だせない

    オヤジのゴリ押しでのしあがったんだろうが