JALに驚愕の旅客便出現 「成田空港発”成田JAL格納庫”行き」なぜ? 「多分日本初」の珍区間誕生の経緯とは
2025年11月1日、パイロットが「おそらく日本初」と話す珍しい区間の旅客チャーター便が、JALによって運航されました。「成田空港国内線ターミナル発、成田空港内のJAL格納庫行き」の旅客便です。なぜこのような区間が運航されたのでしょうか。
「サプライズ」で実施
2025年11月1日、パイロットが「おそらく日本初」と話す珍しい区間の旅客チャーター(貸切)便が、JAL(日本航空)によって運航されました。区間は「成田空港国内線ターミナル発、成田空港内のJAL格納庫行き」。なぜこのようなフライトが行われたのでしょうか。
このチャーターフライトは、JALの国内線・国際線両方で運航されている旅客機「ボーイング767」が、同日に就航40周年を迎えたことを記念して実施されたものです。フライトは成田空港発着の遊覧チャーターとして約3時間運航され、成田から新潟市、金沢市上空を経て、長野県上空で航跡によって「767」の文字を描き、浜松市上空から太平洋に抜けて成田へ戻るという航路をたどりました。
機内では、現役のボーイング767パイロットが操縦要員のほかに解説要員としても同乗。コックピットで起きている様子をリアルタイムで中継したほか、歴代制服を着用したCA(客室乗務員)によるショーも行われました。
成田空港到着後、通常のターミナル駐機場ではなく、直接JALの格納庫に到着するという内容は、JAL側による“サプライズ企画”として実施されたといいます。機体はいったん格納庫近くに停止した後、旅客機をけん引する専用車両「トーイングカー」に接続され、車両に引かれて格納庫へと進入。解説要員のパイロットは「この試みは、JALはもちろん、日本でもおそらく初めてなのではないかと考えています」と話しました。
格納庫では、到着した乗客を多くのJAL社員が出迎え、ボーイング767にまつわる記念セレモニーが開催されました。
今回の企画の中心となったJAL運航訓練部767訓練室の鈴木伸二郎・飛行訓練教官は、「格納庫に駐機し、そこで乗客を下ろすという試みについては、NAA(成田国際空港株式会社)やJCAB(国土交通省航空局)などの協力を得ながら実施しました。成田空港は767の就航便数が非常に多いため、関係各所にも好意的に受け止めていただき、想定よりスムーズに話が進んだと思います。すべて規定上も問題がないことを確認したうえで実施しました」と話します。
また、企画の趣旨については「この40年間を振り返ると、運航と整備の社員全員が、安全の層を一枚一枚積み重ねてきたことで、この日を迎えられたのだと思います。そんな767に感謝を込めて企画しました」と語りました。




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