【懐かしの国鉄写真】引退間近の70系を追って新潟へ トレードマークは「赤と黄色」(写真19枚)

「新潟色」と呼ばれる多種多様な独自の塗装で親しまれた、新潟地区の115系がもうすぐ引退しそうです。しかし115系が導入される前にも「新潟色」はありました。どのようなデザインだったのでしょうか。

115系の前にもあった「新潟色」

 JR東日本の新潟支社では、これまで上越線や信越本線などの普通列車に115系を使ってきました。しかし2014年12月、古くなった115系の置き換え用として新型のE129系がデビュー。新潟の115系はまもなく完全引退の日を迎えることになりそうです。

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赤と黄色の「新潟色」が特徴だった新潟地区の70系。写真左側の高崎方先頭車(クハ76084)は雪対策として運行窓を埋め、タイフォンが増設されている(1976年9月、楠居利彦撮影)。

 115系の塗装は緑とオレンジの「湘南色」ですが、新潟の115系は1986(昭和61)年ごろから「新潟色」と呼ばれる独自の塗装が施されるようになります。この新潟色は何度となく変更されており、編成や路線によっても別バージョンが存在するなど、多種多様でした。

 115系の引退が迫っていることから、新潟支社は公式ウェブサイトで「みんなで選ぼう115系車両デザイン」と題した企画を実施。一般の人から思い入れのある塗装を投票方式で募集しました。これに基づき、115系の1編成を「二次新潟色」と呼ばれる塗装に変更することになり、2018年9月中旬から運用が始まる予定。弥彦線の115系で使われていた塗装の「弥彦色」も、11月上旬から運用される予定です。

 ところで、115系が新潟地区に導入されたのは、JR新潟支社が国鉄の新潟鉄道管理局(新鉄局)だったころの1976(昭和51)年です。それ以前は、70系などの旧型国電が使われていました。

 70系は関東や関西からやってきたお古の車両でしたが、ほかの地域にはない赤と黄色の塗装をまとって独自性を出していたのが特徴です。この塗装が「新潟色」の元祖であり、2017年には新潟115系の3両×1編成が「懐かしの新潟色」と題し、赤と黄色に塗り替えられています。

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まもなく引退する新潟の115系にも「懐かしの新潟色」編成が登場した(2017年1月、草町義和撮影)。

 私が新潟色の 70系を初めて見たのは、1967(昭和42)年の5月のこと。といっても新潟で見たわけではありません。榛名湖に行った帰りの高崎駅(群馬県高崎市)で、ちょうど目の前に停車していたのが赤と黄色のクハ75形でした。旧2等車(現在のグリーン車)のサロ75形を普通車に格下げし、編成の先頭に立つ制御車に改造したもので、この当時から新鉄局の70系が上越線を通って高崎まで乗り入れていたのです。

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クハ75形を先頭にした4連(1976年9月、楠居利彦撮影)。

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Writer:

1946年、東京生まれ。中央線の沿線で育ったので、鉄道は複線で電化され、長編成の電車が頻繁に走るものと認識している。鉄道誌の創刊に関わり、車両データ本の編集を担当した。趣味は鉄道模型製作。

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