始まりは朝5時の東京駅 N700S出発式レポ 偶然のJ1とJ3? JR東海社長コメント質疑応答
東海道・山陽新幹線で13年ぶりのフルモデルチェンジ車両「N700S」が、「のぞみ1号」でデビュー。早朝の東京駅で行われたその出発式の様子と、JR東海の金子社長のコメント、質疑応答の内容をお伝えします。
14番線が1号でJ1 15番線が3号でJ3
東京駅は、まもなく朝5時です。今日は2020年7月1日(水)。東海道・山陽新幹線13年ぶりのフルモデルチェンジ車両「N700S」デビューの日です。
N700Sの1番列車は、6時ちょうど発の博多行き「のぞみ1号」。改札口がまだ空いていないなか、その出発式を取材するため集まった報道陣が、ホームへ向かいます。
14番線には、すでに「のぞみ1号」となるN700Sが入線していました。J1編成です。
また同じホームの15番線には、続いて出発する「のぞみ3号」も入線しており、こちらの車両もN700S。J3編成です。
「のぞみ1号」がJ1、「のぞみ3号」がJ3であることについてJR東海に尋ねたところ、特に意図があったわけではない、とのこと。でもちょっと、ニヤリとしてしまいます。
5時28分、「のぞみ1号」のドアが開きました。
そして5時35分ごろ、ホームにJR東海関係者、報道関係者以外の人が増えてきます。改札が開いて、乗客がやって来たのです。その乗客たち、カメラの所持率がとても高かったことが印象的でした。
5時45分、出発式が先頭車両の隣で始まります。
ちなみに発車にあたって、式のスケジュールが組まれているわけですが、こんな内容でした。
5時59分25秒:発車予告ベル
5時59分40秒:閉扉
5時59分56秒:駅長による出発合図
平均遅延時分が1列車あたり0.9分(自然災害などを含む2018年度実績)という東海道新幹線の正確さが思い出されました。
「N700S出発式」におけるJR東海 金子社長あいさつ
本日、令和2年の7月1日、東海道新幹線といたしましては13年ぶりのフルモデルチェンジとなります新型の新幹線車両N700Sが、営業列車としてデビューいたします。
安全性、安定性、快適性、環境性能、全ての面において最高の性能を有している新幹線車両であります。側面には「最高」を意味する「Supreme」のシンボルマークがあり、これまでにない上質な乗り心地、快適な空間をお客様に提供できる、「最高の新幹線」を提供できると自負しております。
高速鉄道としては世界で初めてのバッテリー自走システムも搭載し、停電時でも自力で走行できる、異常時に強い新幹線でもあります。床下の機器を徹底的に小型軽量化した成果です。
東海道新幹線では16両編成で運行いたしますが、線区によっては8両編成、12両編成と、柔軟に編成できる「標準車両」を実現しています。線区の特性によって、内外さまざまな展開ができるグローバルスタンダードを目指しています。
優れた性能を実現するためこれまで多くの開発、たゆまぬ研さん、努力がありましたが、これからはこの新幹線を安全に安定して運行することで、多くのお客様に快適な新幹線でのご旅行を楽しんでいただきたいと考えております。
「N700S出発式」後に行われたJR東海 金子社長 囲み取材の内容
Q:定刻通りに出発しましたが、率直な気持ちをお聞かせください。
A:大変嬉しいです。13年ぶりのフルモデルチェンジということで、たくさんのこれまでの技術成果を組み込んだ車両で、それが無事出発し、大変良かったと思います。
Q:N700Sには、どういった車両になってほしいですか?
A:これまでのいろいろな技術成果を盛り込んだ車両であります。乗り心地の面、乗っていただいた快適性の面、きっとご満足いただけると思っております。これまでもサービスを磨き上げてきましたが、また多くのお客様にこのサービスを楽しんで、ご利用いただければと考えています。
Q:N700Sについて乗り心地以外で、利用者目線で「ここを見てほしい」というポイントはどこですか?
A:これまでの新幹線が見劣りするわけではありませんが、車内へ入った途端に明るくて快適な雰囲気を感じていただけると思います。それから荷棚ですとかいろいろ工夫しておりますし、最近「便利だ」と言われますのはコンセントですね。各座席全部に備えているというのは、評判がいいと思います。
「標準車両」N700S 国内外へ今後のさらなる展開予定は?
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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
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