〈PR〉「A列車で行こう9」に初心者が挑戦 シナリオマップ攻略で経営を学ぼう 後編
「A列車で行こう9」最新版に「乗りものニュース」編集部が挑む連載企画。最終回となる第8回目は、シナリオマップ攻略の集大成として、特急列車の運行にチャレンジします。
会社に力をつけ、特急列車の運行をめざせ
「A列車で行こう」シリーズは、プレイヤーが鉄道会社を経営し、線路を敷いて列車を走らせながら、街を発展させていくゲーム。その最新版である「A列車で行こう9 Version 4.0 MASTERS EDITION」に「乗りものニュース」編集部が挑戦中です。
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私(末吉史樹)は前回、「A列車で行こう9 Version 4.0 MASTERS EDITION」に挑戦してから初めて、鉄道部門の黒字化に成功。今回は、鉄道部門をさらにテコ入れして軌道に乗せ、いまだ苦戦中の子会社も含めて、会社全体での経営を安定させるのが目標です。
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会社の経営が安定し、さらに拡大できたら、私には実現したいことがあります。それは、特急列車を走らせることです。
特急列車は購入価格や維持コストが高いので、会社の経営余力がなければ保有できません。鉄道沿線が発展を遂げ、通勤・通学以外のニーズがあることも必要です。
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つまり特急列車の存在は、そのマップが成功を収めた証、ステイタスシンボルともいえるでしょう。ぜひとも実現したいと思います。
平行ダイヤで環状線を効率化せよ
前回、街の中心部に環状線を造り、キハ40形1両で周回運転を開始。しばらく様子をみると、乗客が列車の定員を上回るようになってきました。おそらく乗客の積み残しも発生しているでしょう。経営的にはもったいない状況です。
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そこで、環状線に列車を2本増発。効率よく乗客を運ぶため、各列車が等間隔で運行する「平行ダイヤ」を組むよう計画します。列車はスピードを揃えるため、キハ40形に統一。下図のように、A駅・B駅・C駅の3駅に同じタイミングで列車を発着させるようにしました。
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一方、マップ外とB駅のあいだを往復運転し、人を街に運んでいた201系ですが、輸送効率が良くないようです。運行区間が長いため、いくらダイヤを工夫しても、利益より経費が多くなります。B駅かマップ外のどちらかに着くのが深夜になり、乗客が少ないのに動く時間が多いのが原因でした。
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そこで、201系を使ってマップ外から人を呼び込むのを止めました。環状線内ですでに十分な需要があると分かったからです。その代わり、街から港の資材工場へと通勤客を運んで、効率よく稼ごうと思います。資材工場の付近にD駅を新設。
201系は昼間の時間帯に、D駅とB駅あいだを往復するダイヤで運行を開始しました。すると収支が劇的に改善しています。
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ここまでで、鉄道部門の経営レポートを確認。安定的に黒字が出せる体質になってきました。そして、嬉しいことに、街の人口が少し増えています。街が発展し始めた証拠です。
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子会社の改善は、地道な分析と対策あるのみ
これで、鉄道部門はしばらくそのままでよいでしょう。続いて、子会社の経営改善に取り組みます。
私はこの部分が一番心配です。鉄道と違って、知識や経験からくる勘が使えませんので。ここは、客観的な数字で分析し、地道に対応していくしかないでしょう。
資材工場の赤字要因はすぐに分かりました。貨物列車の輸送力が不足していて、工場のうち1か所だけ、生産した資材がまったく運ばれず、敷地内に山積みになっています。
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また、港付近の資材置き場はすべて赤字。調べると、コンテナ船が資材を輸出し尽くしたため、資材置場が一度空になっていました。そうなると、今度は逆にコンテナ船がマップ外から資材を購入して輸入し始め、それに余計なお金がかかっているのです。
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このことから、資材工場や資材置場は、いかに回転させ続けるかが重要だと分かりました。そこで、貨物列車を新たに1編成購入し、資材工場と資材置場の往復専用にします。これで赤字の資材工場から資材を運び出し、港の資材置き場をとにかく満杯にしました。コンテナ船の動きも輸入から輸出に戻り、ひと安心です。
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これで、2つの貨物列車が下図のように役割分担するようにできました。今後、状況の変化に応じて柔軟に貨物列車の行先を変更できるように、この付近の線路はデルタ線にしています。
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ただ、やってみて分かりましたが、資材工場の生産能力と貨物列車の輸送力をうまく釣り合わせるのがとても難しいです。時々様子をみながら、貨物列車の運行ダイヤを調節することで、輸送力を加減します。
また、鉄道部門と違って、子会社部門は手を打ったからといってすぐに結果は出ないようです。赤字の大部分は、施設を造ったときの初期費用であって、営業上の損失が増え続けているわけではないことも分かりました。
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これから子会社に手をかけ続けるか、本業の鉄道部門で拡大発展を狙うかの経営判断が必要ですが、私は後者を選びました。街の人口が増えている以上、輸送需要も増加し続けるはず。これまでの手ごたえから、鉄道に注力したほうが会社発展の可能性が高いと見込んだからです。
ついに投入、在来線最速の特急
子会社に注力しているあいだ、鉄道部門は再び収支が悪化していました。「A列車で行こう9 Version 4.0 MASTERS EDITION」では、街の状況が刻々とリアルに変化するので、少しでもその変化を見落とすと大変です。
鉄道部門が再び悪化した原因は、どうやらドル箱路線の環状線。まだ輸送力が足りず、効率が良くないためでした。
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ここで大きな経営判断。環状線の列車をすべてキハ40形から201系に置き換えます。201系は保有中の1編成を転属させ、新たに2編成を購入。これまでの乗客の増加ペースを考慮して、すべて4両編成としました。キハ40形は売却です。
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そして、マップ外からD駅を通ってB駅まで至る路線に、特急列車を投入します。現在の経営状況であれば、問題ないでしょう。効率よく多くの人をマップ外から街に呼び込みたいので、スピードと乗車定員とのバランスが取れている車両を選びたいところです。
そこで私が購入したのは681系2000番代。新潟県の北越急行で、在来線特急「はくたか」として今年3月まで使われていた車両です。
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北越急行は、首都圏と北陸地域を短時間で結ぶこと等を目的に開業した第三セクター鉄道。かつてその看板列車だったのが、681系2000番代などで運行された特急「はくたか」でした。
特急「はくたか」は在来線で当時の日本最速となる160km/hを発揮、北越急行に多くの収益をもたらした列車です。北陸新幹線の金沢延伸開業で役目を終えて廃止されたこの名列車に、末吉高速鉄道の未来を託したいと思います。
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実際に特急列車を走らせてみると、ランニングコストは高いですが、乗客が多ければ十分に元が取れます。その理由は、実物同様に、運賃に特急料金が上乗せされているからです。北越急行にとっての「はくたか」がそうだったように、681系2000番代は末吉高速鉄道のドル箱列車になるのではないか。そう期待させる滑り出しです。
さて、3回にわたってお伝えしてきた「A列車で行こう9 Version 4.0 MASTERS EDITION」のシナリオマップ攻略も、そろそろ終わりが近づいてきました。鉄道会社を経営するということ、その難しさや面白さを、「A列車で行こう9 Version 4.0 MASTERS EDITIONのプレイを通じて少しでも感じていただけたならば幸いです。
実際の鉄道会社の経営に終わりがないように、「A列車で行こう9 Version 4.0 MASTERS EDITION」が紡ぎ出す世界にも終わりはありません。今回の私はまだその域にまでたどり着けませんでしたが、どこまでも鉄道を、そして街を自分の思いどおりに発展させ、高みを目指せるのです。
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さて次回は番外編として、2015年12月に発売される「JR東海パック」を紹介します。新幹線0系はもちろんのこと「ドクターイエロー」や富士山も登場。「A列車で行こう9 Version 4.0 MASTERS EDITION」の世界がさらに広がる拡張キットです。
【了】
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