コロナで変わる定番 「旅行の形」はどうなるのか? JR東海「ずらし旅」の狙い
様々な「定番」を変えたコロナ コロナ後を見るJR東海
通勤事情は、コロナ禍で大きく変わりました。テレワークが広まり、例年行われてきた時差通勤キャンペーンは今後、どうなるのでしょうか。
旅行でもコロナ禍でパラダイムシフトが起こり、「ずらし旅」がひとつ定番になった結果、コロナ前に起きていた京都のオーバーツーリズム問題などが緩和されるかもしれません。
また「定番をずらす」ことは需要の分散や新たな観光資源の発掘などにつながり、それはJR東海として望ましく、「ずらし旅」はコロナ後でも継続できるスタイルです。
いま「ずらし旅」を展開することによりコロナ後における「旅行の幅」が広がることは、JR東海が狙っていることのひとつでしょう。
「ずらすことで、早朝の神社の清々しさなどに気がついて、新しい旅、楽しい旅を作っていけるのではないかと考えています」(JR東海 金子 慎社長)
JR東海が「ずらし旅」のひとつとして提案している「自転車の旅」で、JR東海と連携しているドコモ・バイクシェアの堀 清敬社長は、かつてシェアサイクルの利用者はインバウンドの利用者が多かったものの、「ずらし旅」によって旅先でのシェアサイクル利用が日本人にも広がっていくきっかけになればと話します。
コロナ禍は様々な「定番」を変えました。JR東海が提案する「ずらし旅」は、「コロナ禍で変わっていくもの」のひとつのあらわれ、と言えるかもしれません。
ちなみに、JR東海の金子社長がオススメする「ずらし旅」は、「早朝の嵐山の竹林」「天龍寺の青紅葉」だそうです。
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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
ずらし旅の最たるものは、帰省ラッシュの逆方向を行く旅。