東名高速をまたぐ「廃線」撤去進む 米軍厚木基地専用線 跡地はどうなる?

神奈川県内の相鉄線から米軍厚木基地に伸びる貨物線の撤去工事が進められています。「廃線」として鉄道ファンに知られた存在だったものの、アメリカから日本への返還が決まり撤去へ。跡地はどうなるのでしょうか。

ジェット燃料を運んだ貨物線

 2020年11月現在、神奈川県内である「廃線」の撤去工事が進められています。相模鉄道(相鉄)本線の相模大塚駅(大和市)西側から、アメリカ海軍厚木基地へ伸びている貨物線です。

 かつては、この路線を使って厚木基地へのジェット燃料輸送などが行われていましたが、1998(平成10)年以降は休止状態に。使われなくなった線路や踏切、架線などが残り、鉄道ファンには知られた存在だったものの、それらが撤去され、一部はすでに更地となっています。

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米軍厚木基地専用線、東名高速をまたぐ部分。2020年3月撮影。2020年11月現在、撤去工事が進められている。

 この撤去工事を行っているのは、地元の大和市でも相鉄でもありません。防衛省の南関東防衛局です。というのも、撤去工事は2017年に日本とアメリカのあいだで、専用線の返還が決まったことを受けて進められているものです。

「専用線は旧海軍の時代から存在し、戦後、米軍施設として提供されていました。大部分は民地の上を通っていますが、軌道(線路)部分は国有財産であり、現在は防衛省が一時的に管理しています。これを“原状回復”、つまり軌道ができる前の更地の状態にして、それぞれの地権者にお返しします」(南関東防衛局)

 撤去工事は2021年3月までの予定です。なお、専用線に沿う側道部分は、在日米軍と大和市との共同使用という形だったそうですが、これも返還され、大和市に払い下げられる見込みだといいます。

 ただし、今回は撤去されない部分もあります。

 それは東名高速をまたぐ市道に並行して架かる橋です。橋の上の線路は前述の通り国有財産であり撤去されるものの、「橋そのものは、NEXCOさんの管理です」(南関東防衛局)とのことで、橋桁自体は残されるそうです。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 東上線高坂からの山砂利専用側線の跡が関越道を跨いでいましたね。