指差し確認「○○ヨシ!」ワゴン販売だけじゃない「新幹線パーサー」という仕事
東海道新幹線のパーサーは、車内販売を担当しているイメージがあるかもしれませんが、列車の安全を守る保安要員でもあります。その新人研修では、鉄道員らしい「○○ヨシ!」という声が飛びかっていました。
最初は少し恥ずかしかったけど…
飛行機のキャビンアテンダントは、機内サービスを提供するだけではなく、乗客の安全を守る保安要員という大きな使命を持っています。
東海道新幹線のパーサーも同様です。ワゴン販売のイメージがあるかもしれませんが、車内放送や車内巡回といった車掌業務も一部を担当するほか、異常時には脱出用はしごの設置や避難誘導なども実施。新幹線の安全運行を守る保安要員でもあるのです。
2021年4月、パーサー職で入社した新人の育成研修が始まりました。
その研修現場を取材し、そうした「保安要員らしさ」を実感させたことのひとつに、新人たちがいわゆる「指差し確認(指差喚呼)」をしていたことがあります。何かを確認する際、それを指差し「○○ヨシ!」と声に出して行うもので、安全性を高められる仕組みとして鉄道の現場で広く行われている動作です。
車内販売のワゴンを適切に止めているかといった確認をしたり、研修の最初に全員でその動作をしたり。研修施設の各ドアにも、パーサーが「ヨシ!」と指差し確認をするシールが貼られていました。
「『○○ヨシ!』とやるのは初めてで、最初は大きい声を出すのも、そのポーズをするのも少し恥ずかしかったですが、パーサーの仕事を勉強するにつれて、安全のためにしていると考えると、カッコいいことだと思えるようになりました。ぼそぼそ言っているほうがカッコ悪いです。お客様の命を預かっていて、お客様の命を守るためにやっているんだと思うと声も大きくなり、やりがいがあります」(新入社員の秋山まりさん)
将来的に東海道新幹線の車掌業務は全面的にJRCPに任せて、プロパーの車掌はリニアに振り向けるつもりでしょうか。