昭和に全振り大改装「西武園ゆうえんち」乗りものもスゴイ! 懐かし電車にオート三輪走る街
2021年5月19日(水)にリニューアルオープンした、埼玉県所沢市の「西武園ゆうえんち」。昭和レトロな風景が再現されているのが特徴ですが、園内にある乗りものもやはりレトロなものばかりでした。
出迎えるのは70歳間近の路面電車
2021年5月19日(水)にリニューアルオープンした、埼玉県所沢市の「西武園ゆうえんち」。遊園地の全体テーマは「心あたたまる幸福感に包まれる世界」として、懐かしさと同時に非日常を体験できる、1960年代の風景をモチーフにしたアトラクションが展開されます。
“昭和レトロのテーマパーク”に大きく生まれ変わった西武園ゆうえんちですが、西武鉄道が運営するだけあって、やはり乗りもの好きの目線でも、見どころとなるものがたくさんあります。
まず、エントランス前の「夕日の丘商店街前」電停に佇むのは、1952(昭和27)年製造の路面電車です。仙台市電で運行されたのち、1976(昭和51)年の市電廃止に伴い長崎電気軌道へ移譲し、1050形電車として長年活躍。2019年3月をもって営業運転から離れ、所沢の地にやってきました。塗装はかつての都電を思わせる、クリーム色に赤帯となっています。車内にあった「夕日丘電氣軌道」の路線図によると、この列車は「勝楽寺駅」とこの電停とを結んでいるようです。
次に、エントランスそのものも、鉄道に関するものです。単線の上路式トラス型アーチ橋で、似た構造のものとしては、JR只見線の名撮影地でもある「第一只見川橋梁」があります。なお、エントランスの鉄橋は、実物を再利用したものではなく、「昭和レトロな雰囲気のあるデザイン」として新たに製作されたものだそうです。
エントランスをくぐると、そこには昭和の街角を再現した「夕日の丘商店街」の路地の風景が広がっています。
目を引くのが、前輪が1輪の軽トラック、いわゆる「オート三輪」です。手前にあったソフトグリーンの車はダイハツ・ミゼットMP型で、1959(昭和34)年から1972(昭和47)年まで生産され、当時のブームを引き起こしました。もう一台の青いオート三輪は、バイクと同じ形式のハンドルにより操縦され、荷台部をチンドン屋の舞台に改造した姿で商店街内を走っていました。
軒先で見つけたのは、懐かしい「ロッドブレーキ」の自転車です。ブレーキハンドルは金属棒になっており、レバーの動きがテコの原理で、直接ブレーキシューをタイヤに押し付けるもので、今のものと違い、ワイヤーを介しません。
そして、街角の白黒テレビに映し出されていたのは、1964(昭和39)年10月1日、東海道新幹線の開業のニュースでした。
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