「片翼の飛行機」は実在したのか? それが奇跡といえる理由
飛行機は左右の翼が対になって備わっているのが一般的ですが、これまで片翼の機体は存在したのでしょうか。翼の役割や、そのバランスから考えても設計的にはまずあり得ませんが、結果的にその形でも地上に降りられた事例が存在します。
設計上はない…その難しさとは
ほとんどの飛行機は、胴体を挟むように左右の翼が対になって備わっています。もちろん、それぞれの翼に役割があり、機体全体のバランスで飛行できるように設計されていますが、航空機の歴史において、その常識を覆した事例が存在するのです。
そもそも、それぞれの翼はどのような役割を果たしているのでしょうか。翼はおもに3つのパートに分けることができます。
いわゆる「水平尾翼」として知られる胴体後方を左右に貫く尾翼は、おもに機首を上下させる役割をもちます。胴体後部の上に生えるように、水平尾翼と直角に交わる「垂直尾翼」は、おもに機首を左右に振る役割をもちます。
そして一番大きな「主翼」は、機体が空を飛ぶのに不可欠な空気の力を発生させること、そして機体の横向きの動きを制御することがおもな役割です。主翼には多くの場合、その一部が下側に折れ曲がることで、空気を作る力を増大させる動翼装置「フラップ」がついていますが、これは主翼後方内側にあることが一般的です。
また、多くの飛行機の主翼には、機体を左右に傾けるための動翼装置「エルロン」も備わります。これは、左右の翼の一部が互い違いに上下に曲がることで、左右の翼に発生する空気力を変化させるというもの。上に曲がったほうは下方向への、下に曲がったほうは上方向への力が働くことで、機体が傾くといったメカニズムです。
このように主翼は、さまざまな面でフライトの“扇の要”となるパーツです。これを片方のみ設けるといった意図的な変形レイアウトが採用された事例は、これまで皆無といっても過言ではありません。ただ程度の差はあれど、実は主翼が片方なくなりその機能を失ってしまった状態にもかかわらず、フライトを完遂できたケースが存在するのです。
「片翼の小さな飛行機」は片腕しかない人を表している。片腕になった人はほとんど偶然に何らかのことがあって片方の腕を失ったから、記事の通り、「片翼の飛行機」も偶然に何らかのことでそうなったのがほとんどで、最初から片翼にするのは考えられない。