新型HC85系「特急ひだ」に試乗 ハイブリッド車初の120km/h運転 "新感覚"あちこちに
まもなくデビューするJR東海の新型特急車両「HC85系」。現在活躍中の「キハ85系」と同じ番号であり、共通点もあるものの、大きく進化した点もあります。実際に乗車し、その特徴を体感してきました。
先代・キハ85系からは「正常進化」?
いよいよ2022年7月にデビューとなる、JR東海の新型特急車両「HC85系」。5月24日(火)、関係者向けの体験乗車が行われ、特急「ひだ」のルートとなる名古屋~岐阜~高山で、約2時間40分の旅をしてきました。
この新型車両は、1988(昭和63)年にデビューしたキハ85系の後継として送り込まれます。車両名が同じ番号を冠した「HC85系」であることは、「進化形」であることを象徴しています。
先頭形状こそ流線形ではなくなったものの、車体はステンレスに白の塗装とオレンジのライン。最高速度は120km/hで、特急「南紀」「ひだ」として走ります。窓のサイズは「ワイドビュー」として登場したキハ85系と比較して、同程度とのこと。日除けは同じ横引きカーテンです。
しかし、HC85系はキハ85系からさまざまな進化を遂げています。その最たるものはディーゼルエンジンで発電し、モーターを回して走る「ハイブリッド車両」であること。車種記号も電車と同じ「モハ」「クモロ」などと、モーターを意味する「モ」が付いています。ちなみに「HC」は「Hybrid Car(ハイブリッドカー)」の略です。
キハ85系がエンジン2基体制であるのに対し、HC85系ではエンジンは1基。数は半減しても、バッテリーからの電力でパワーを補うことで、同じ120km/h運転を実現しています。バッテリーは旅客用鉄道車両では国内最大容量を誇り、最高速度120km/hもハイブリッド車両では国内初となります。
エンジンの数が減ったことで、まずはCO2排出量が約3割、NOx排出量は約4割減少。環境負荷を大きく低減するほか、エンジンの唸りや振動も低下し、より快適な乗り心地となっています。
さらに、車両貫通部上の案内ディスプレイにも、こうしたハイブリッドならではの駆動方式を楽しむ工夫も。「次は 岐阜」などの案内とともに、いま現在エンジン出力なのか、エンジン出力をバッテリーがアシストしているのか、逆にバッテリー充電モードなのかが、リアルタイムで図示されるのです。
コメント