新造船「さんふらわあ むらさき」進水 日本初の“LNG燃料フェリー”2隻体制に デカいぞ!
LNG燃料化は「今すぐ実現可能な取り組み」
主機関は欧州舶用メーカーのバルチラが開発したLNG焚き4ストロークエンジン「バルチラ31DF」を、発電機はヤンマーパワーテクノロジーの船舶用DFエンジン「8EY26LDF」を搭載します。バルチラはエンジンに加えて、減速機、LNGPacストレージ(燃料貯蔵・供給・制御システム)で構成されたLNGパッケージも供給しています。
商船三井グループは2050年までにネットゼロ・エミッションを達成することを目指し、次世代燃料の積極的な導入を掲げています。このうちLNG燃料は従来の重油焚き船と比べ25~30%のGHG(温室効果ガス)削減効果があることから「今すぐ実現可能な取り組み」と位置づけて、外航・内航問わずLNG燃料船の整備を進めており、「さんふらわあ くれない」「さんふらわあ むらさき」もその一環です。
同社は三菱重工下関造船所で建造している2隻に続き、商船三井フェリーが運航する大洗~苫小牧航路にもLNG燃料フェリー2隻を投入することを決めており、2021年に内海造船へ発注しています。
大阪~別府航路のLNG燃料フェリー1番船となる「さんふらわあ くれない」は2023年1月の就航を予定しています。新世代のフェリーの乗り心地を体験できる日も近づいています。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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