「食堂車」ついに完全復活!?「サフィール踊り子」の飲食メニューが豪華になってきたワケ
かつては多くの列車に連結されていた食堂車。現在は大部分が姿を消したほか、車内販売も縮小傾向になります。そうした中、JR東日本の「サフィール踊り子」の飲食メニューが充実してきました。どのようなメニューが追加されるのでしょうか。また、どのような背景があるのでしょうか。
「サフィール踊り子」の新メニューに「牛頬肉の赤ワイン煮込み」
かつては多くの鉄道列車に連結されていた食堂車。新幹線も高速道路も整備が進んでいない時代、長距離移動は一般列車がまだ主流で、長時間乗車の乗客のために、車内で食事が提供されていました。
しかし2023年2月現在、車窓を眺めながら作りたての温かい料理を楽しめるのは「ななつ星in九州」といった豪華クルーズ列車や「おれんじ食堂」などの観光列車が中心です。ツアー商品ではない一般利用が可能な毎日運転の特急列車では、ピラフや牛めしなどの軽食が楽しめる近鉄の「しまかぜ」などに限られています。
また、駅構内の商業施設が充実したことなどにより、食堂車だけでなく、車内販売も縮小傾向にあり、車内での飲食は「逆風の時代」といえます。
一方で、車内での飲食メニューを充実させてきている列車もあります。それが、JR東日本が運行する「サフィール踊り子」です。
東京~伊豆急下田間で運転される同列車は、全車両がグリーン車となっており、4号車にはカフェテリアを設置しています。当初は「ヌードルバー」としてラーメンなどを提供していましたが、徐々にラインナップ強化が進み、イタリア料理店「Ristorante HONDA」本多哲也シェフ監修のスパゲティやビーフカレーといったメニューも登場しています。
さらに今月17日には、JR東日本とJR東日本サービスクリエーションが、カフェテリアの新メニューを発表。「牛頬肉の赤ワイン煮込み」や「鰯とウイキョウのリングイネ」といったメインディッシュのほか、「伊豆産フレッシュトマトとブッラータのサラダ」や「シャルキュトリーの盛り合わせ」などが追加され、車内でより本格的な食事を楽しめるようになります。
ここまで来ると、食堂車の復活と言っても過言ではないかもしれません。それを象徴するのが、カフェテリアのある4号車の車両形式が「サシE261」となっていること。「シ」は国鉄時代から食堂車に付与されています。
「サフィール踊り子」で本格的な食事メニューを提供する理由について、JR東日本によると「ちょっと贅沢なメインメニューを車内で召し上がっていただきたいという思いが社内にあった」(広報部)とのこと。
今後も新たなメニューの追加に期待したいところです。
【了】
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